ナビツマの島(1)
風土記にある「ナビツマの島」の物語です。
奈良の都から一人の役人が、加古川の里に派遣されてきました。
彼は、加古川の里の女性と結ばれ、女の子をもうけました。
名を印南別嬢(いなみのわきいらつめ)といい、別嬢は、美しい女性に成長しました。
噂は、時の天皇(景行天皇)にも聞こえ、妻に迎えるため加古川の地へとやって来ました。
別嬢の胸が高なりましたが、どうしてよいか分かりません。“ナビツマの島”に身を隠しました。
加古の松原に着いた帝は、別嬢(わきいらつめ)を探したが見当たりません。
そのときです。島に向かって、一匹の白い犬が寂しげに鳴いていました。天皇は「誰の犬か」とたずねると、土地の人は「別嬢の犬である」と答えました。
天皇は、舟をつくり島に渡たり、そして別嬢と幸せな生活を始めました。
これは物語であり実話ではありませんが、研究者は、ナビツマの島は実在し「加古川の堆積により出来た三角州であろう」と結論づけています。
当時、高砂あたりには“ナビツマの島”のような大きな島(三角州)があったのでしょう。
風土記は奈良時代に書かれた歴史書です。
この頃、現在の中心地あたりは、まだ海であり、人の住めるような状態ではなかったようです。(no4750)
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