樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

アラカン桜

2009年04月06日 | 街路樹・庭木
家から駅までの水路沿いの道に50本ほどの桜並木があり、いつも今ごろはちょっとしたトンネルになります。通りがかりの人がしばしうっとりと眺めたり、写真を撮ったりしています。

       
              (細い路地が桜のトンネルになります)

この桜並木は戦前からあったものですが、終戦後に「進駐軍が花見にやってきて村で騒がれては困る」と心配した住民がすべて伐採したそうです。伐った桜は薪にして各戸に3束ずつ配ったとか。
その後、昭和24年(1949年)になって新たに植樹。当時の青年団長の話では、「役所の観光課長が勧めて、日曜日に青年団員が総出で植えた」そうです。それからちょうど60年、今年還暦を迎えたわけです。

       
             (水路の両岸に植えられたソメイヨシノ)

カミングアウトしますと、実は私も今年還暦を迎えます。自分でも信じられませんが…。
先日、“アラフォー”の仕事仲間から私の年代を“アラカン”と呼ぶと教えてもらいました。アラウンド還暦、略してアラカン。うまいこと言いますね~、って喜んでいる場合じゃないかな?
この桜も私と同じ“アラカン”だと思うと、急に連帯意識が湧いてきました。
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木の考古学

2009年04月03日 | 木と歴史
宇治市にも小さいながら歴史資料館があります。中央図書館の隣なので本を借りるついでに時々訪れる程度でしたが、今回「木の考古学」という企画展を開催していたのでわざわざ見に行ってきました。
宇治の市街地は地表近くに地下水があるため、遺跡を発掘すると木製品が形を保ったまま水漬け状態で出土するそうです。それらをまとめて、初公開の75点を含む77点の木製品が出品されました。
最も古いのは古墳時代。樹種は不明ですが、約1500年前の剣の鞘が展示してありました。また、平安時代は貴族の別荘地として栄えたところですから、当時の屋敷跡からヒノキの大柱や蔀戸(しとみど)と呼ばれる格子状の建具も出土しています。

       
                  (平安時代の井戸)

残念ながら撮影禁止なので、画像でご紹介できるのは上の写真のみ。この井戸はいつもは資料館の前に置いてあって、以前私が撮影したものです。今回は企画展に組み入れられ、メインの展示物として内部に設置されていました。
ヒノキの板を井桁に組んであり、外側は割った状態のままですが、内側はきれいに平らに仕上げてあります。マンションの建設予定地から発掘された貴族の邸宅跡にあったもので、平安時代中期から後期にかけて使われた井戸です。
以前ご紹介しましたが、宇治川の近くでは秀吉が築いた「太閤堤」が発掘され、現在その遺跡を中心とした新しい観光ルートが開発されつつあります。新しい観光資源を立ち上げようと、官民一体になって盛り上がっているのです。みなさんも、平等院以外の宇治も見に来てくださいね。
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鳥見散歩

2009年04月01日 | 野鳥
冬の間ほぼ毎回双眼鏡をぶら下げて散歩に出かけました。大吉山でもそろそろ地元の鳥がさえずり始め、冬鳥は繁殖地へ帰ったようなので、この冬どんな鳥が見聞できたかご報告します。
まずクロジ。今年毎回双眼鏡を携帯するようになったのはこの鳥を観察するため。珍しいと言うほどではないものの、数が少ない上に暗い場所にいるのでなかなか見られません。
以前から時々姿を見かけましたが、今年はその気になって観察したところ2回に1回の確率で目撃。数羽の群れが定着しているポイントも3ヵ所特定できました。写真家の間ではけっこう知られているようで、カメラを担いだ人にもよく出合いました。

       
      (無理にトリミングしたので画像が悪いですがクロジのオスです)

ルリビタキも、地味な色のメスですが、クリッとした目と可愛い姿で和ませてくれました。年によって居つく場所が違うようで、昨年は頂上付近でウロウロしていましたが、今年は3合目あたりに定着していました。
シロハラも冬鳥の常連。落ち葉の積もった林床で餌を探したり、キョトンとしています。同じくツグミの仲間では意外にもトラツグミに遭遇しました。
冬の楽しみはカラの混群に囲まれること。シジュウカラ、ヤマガラ、エナガ、メジロ、コゲラなどの小鳥が「ニーニー」「ジュルジュル」「チーチー」と鳴きながら、30~50羽くらい次々に飛んできます。この冬は2回しか体験できませんでしたが、バードウォッチャーにはうれしいひとときです。
これまでは声しか聞こえなかったアオゲラも、今年は目の前の木に止まってじっくり観察させてくれました。頭頂部が赤いオスでした。

       
      (展望台でヤマガラに餌をやるのを楽しみにしている人もいます)

時間がある日は大吉山から宇治川へ下りて遠回りします。このコースで遭遇したのが以前ご紹介したヒレンジャク。常連はユリカモメ、カモ類、セキレイ3種、タヒバリ、イソヒヨドリ、イカルチドリ、イソシギなど。上空では時々ミサゴが旋回します。
驚いたのは中州にいたアオアシシギ。春と秋に日本を通過する旅鳥ですが、何故かこの季節に姿を見せました。越冬個体でしょうか。こういうサプライズも鳥見のおもしろいところ。

       
   (緑の堤防と青い空と白い雲。晴れた日のリバーサイドウォークは最高!)

遠回りコースでは山の鳥と川の鳥で40種くらい見られます。2時間近くかかりますが、暖かい日の鳥見散歩は気持ちいいです。
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