樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

木の考古学

2009年04月03日 | 木と歴史
宇治市にも小さいながら歴史資料館があります。中央図書館の隣なので本を借りるついでに時々訪れる程度でしたが、今回「木の考古学」という企画展を開催していたのでわざわざ見に行ってきました。
宇治の市街地は地表近くに地下水があるため、遺跡を発掘すると木製品が形を保ったまま水漬け状態で出土するそうです。それらをまとめて、初公開の75点を含む77点の木製品が出品されました。
最も古いのは古墳時代。樹種は不明ですが、約1500年前の剣の鞘が展示してありました。また、平安時代は貴族の別荘地として栄えたところですから、当時の屋敷跡からヒノキの大柱や蔀戸(しとみど)と呼ばれる格子状の建具も出土しています。

       
                  (平安時代の井戸)

残念ながら撮影禁止なので、画像でご紹介できるのは上の写真のみ。この井戸はいつもは資料館の前に置いてあって、以前私が撮影したものです。今回は企画展に組み入れられ、メインの展示物として内部に設置されていました。
ヒノキの板を井桁に組んであり、外側は割った状態のままですが、内側はきれいに平らに仕上げてあります。マンションの建設予定地から発掘された貴族の邸宅跡にあったもので、平安時代中期から後期にかけて使われた井戸です。
以前ご紹介しましたが、宇治川の近くでは秀吉が築いた「太閤堤」が発掘され、現在その遺跡を中心とした新しい観光ルートが開発されつつあります。新しい観光資源を立ち上げようと、官民一体になって盛り上がっているのです。みなさんも、平等院以外の宇治も見に来てくださいね。
コメント (2)
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