1970年に開催された大阪万博を記念して、大阪城公園にタイムカプセルが埋設されました。5000年後の世界に当時の日本の生活や文化、科学を伝えるために2000点以上の品々を収納したそうです。
埋設30年後の2000年3月、保存状態を調べるために試験開封された際、中に入っていた樹木の種を取り出して発芽試験が行われました。
その樹種と種の数は、スギ100粒、ヒノキ41粒、アカマツ96粒、トドマツ51粒。それらを森林総合研究所が発芽させ、最終的にヒノキ1本、アカマツ13本、トドマツ4本の苗木に育てました。
その木の一部が、近くの森林総研関西支所に植えてあります。
タイムカプセルの木の一つ、ヒノキ。樹高は約2.5m
アカマツ13本はこのプロジェクトを主催した毎日新聞大阪本社と松下電器産業(現パナソニック)本社に3本ずつ、そして万博記念公園にも3本植樹されました。
森林総研の植物園にもアカマツが3本植えてあります。うち1本は主幹が伐られていますが、他の2本は5mくらいまで元気に育っています。
タイムカプセルのアカマツ
計画では2100年にタイムカプセルを再度開封するそうですが、その頃には現在関わっている人たちはいないわけで、その経緯を知っているのはこれらの樹木だけということになります。
2100年を想像するのさえ難しいのに、5000年先の未来に現在の姿を伝えようという何とも壮大なプロジェクトですね。
5000年先だと進化して新種が出ているかもしれないですね(笑)。
トドマツはそちらでも育つことは育つのですね、きっとこちらと同じというわけにはゆかないでしょうけど。
大阪万博は人々にいろいろなものを残したんだなということも思いました。
そうですね、5000年後には地球が温暖になって針葉樹がなくなっているかも知れませんね。