樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

バードウォッチャーとバードフォトグラファーの識別ポイント

2014年07月03日 | 野鳥
最近、フィールドでフォトグラファーに遭遇する機会が増えました。私も撮りますからバードウォッチャー兼フォトグラファーなのですが、違和感のあるバードフォトグラファーもいます。
まず、双眼鏡を持っていない人が多い。野鳥を撮る気はあっても、探す気は最初からないようです。松田道生さんも違和感を抱かれたようで、次のように書いておられます。
不思議に思って何人かに質問してみると異口同音に「写真を撮るのに双眼鏡が邪魔だから」という返事が返ってきました。なかには「双眼鏡で鳥を見ていたら撮りそこなう」と言った方もいました。これは、軽いカルチャーショックでした。
バードウォッチャーとバードフォトグラファーは生息域が少し異なりますが、外見はよく似ています。鳥に例えれば、オグロシギとオオソリハシシギかな? この2種の識別ポイントを私なりに考えてみました。


これはオグロシギ

①双眼鏡を使う・使わない
②フィールドノートをつける・つけない

フォトグラファーにはそもそもフィールドノートが必要ない(つけないバードウォッチャーも多いですが、私は約25年間記録しています)。
③野鳥番組を見る・見ない
バードフォトグラファーの関心はカメラ機材にあって、鳥は被写体でしかないので、その生態には無関心。したがって、NHKの「ワイルドライフ」や「ダーウィンが来た!」などの野鳥番組は見ない。
④言葉遣いに配慮がある・ない
バードフォトグラファーのブログは時々バードウォッチャーの神経を逆なでする。
例-1…「今日のカワセミは芸が少なかった」(鳥は猿回しの猿か?)。
例-2…「鳥友さんから情報をもらったのでスクランブル発進した(出撃した、参戦した)」(鳥を見るのは戦争か?)
例-3…「先日ヤマシギにふられたのでリベンジに行ってきた」(リベンジは「復讐」。鳥に恨みでもあるのか?)


こっちはオオソリハシシギ

⑤愛鳥意識がある・ない
野鳥を撮る気はあるが守る気はないので、餌付けしたり、ストロボを使うことに罪悪感がない。
⑥自然保護団体に所属する・しない
愛鳥意識や自然保護意識がないので、当然、保護団体などに入る気はない。
以上の識別ポイントでYESが3つ以上あればバードウォッチャー、NOが3つ以上あればバードフォトグラファーです。
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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (moriyume)
2014-07-03 23:28:49
松田道生さんの仰る「カルチャーショック」・・・そうなんだ。私も軽く目まいを感じました
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そうですよね (fagus06)
2014-07-04 07:01:30
バードウォッチャーとは感覚が違いますよね。
彼らは多分、双眼鏡で鳥を探さなくても、情報をもらって現地に行けば誰かが教えてくれる、と思っているんでしょうね。
なので、私は双眼鏡をぶら下げていない人には、教えないことにしています。
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Unknown (guitarbird)
2014-07-04 09:01:44
こんにちわ。
面白いですね、自分もチェックしてみます。

①撮らない時はニコンのポロタイプの大きいのを使っていますが、撮る時はやはり動きにくくなるので、ツァイスのコンパクトタイプを買って撮る時に使うようになりました。
ただ、今は撮らない時でもそっちを使うことが多くなりましたが(笑)。

②紙にはつけていないですが、帰宅してPCのワードに専用の文書を作って記録しています。
だから忘れることもありますが、大事なことはもちろん忘れません。

③これですね、観ていると無性に行きたくなるので、特に近場の話題の時、あえて自制することがよくあります(笑)。
でも基本は観ます。

④これは自分では判断できないですが、私は鳥問題以前にリベンジという言葉は使いません。
でも逆に、ワシタカを見たカラスがそっちに向かって飛んでいくことを「スクランブル」と言います。
だから、レトリック的な面でいえば私は×かもしれないです。

⑤外では餌づけはしないし(庭の餌台もやめましたが)、ストロボは鳥には使いません。
ちなみに私は、鳥の観察を本格的に始めて最初の2年は鳥の写真を撮りませんでした。

⑥すいません、かつて日本野鳥の会に属していました・・・今はフリーです(笑)。

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guitarbirdさんへ (fagus06)
2014-07-05 07:29:34
全部答えていただいて、ありがとうございます。
④の「スクランブル」は私も使うと思いますが、戦争用語としては使っていないですよね。
実は⑥の条件を記事に書くとき、以前は野鳥の会の会員であったギタバさんのことが頭に浮かびました。でも、以前のお仕事や現在のお仕事が言わば自然保護につながっているはずですから、ギタバさんは○ですよ。
つまり全部○ですね。
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はじめまして (Pokopon)
2014-07-15 01:50:13
 どこかでお会いしているかもしれませんが、たまたま、この記事に辿り着きました。
 私の場合、6つともNOです。
1.双眼鏡やスコープは、視野が限定されるので、探している時にはほとんど使いません。何か動いた、何かいるという時には、そこで双眼鏡を構えるよりもレンズを向けてしまいます。
 使うのは、沖合にいる海鳥とか、極めて限定された場合のみです。
2.フィールドノートはつけてません。メモ代わりに写真を撮るようになったので。なので、鳥だけじゃなく、風景や環境の写真も撮ってます。
3.見ません。自分で見たいので、他人のカメラを通して恣意的に切り取った映像には、あまり興味を持てません。というかテレビが自体を見ません。
4.配慮しません。例示されたような言葉使いはしませんが、配慮した結果じゃなくて、そもそもそういう発想がありませんので。ちなみに写真屋がよく使う「枝かぶり」なんて言葉にも「それが自然な状態やん」と違和感があります。
5.ありません。餌付けしたり、ストロボを使ったりはしませんが、それは愛鳥意識ではなくて、自然な状態に干渉せずに見たいからです。野鳥の会のように大勢でガヤガヤとフィールドに行ったりするのが嫌いなのも、愛鳥意識からではなく、自然な状態を見たいから、干渉したくないからです。
6.入ってません。
 ということで、バードウォッチャーじゃなさそうです。でも、自分じゃフォトグラファーとは思ってなかったんですけど。
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Pokopon様 (fagus06)
2014-07-15 08:06:28
コメントありがとうございます。
Pokoponさんは、6つともNOかもしれませんが、私が考えているフォトグラファーではないのかも知れません。
4の「写真屋がよく使う「枝かぶり」なんて言葉にも「それが自然な状態やん」と違和感があります」 は私も同感です。「枝かぶり」だろうと、「空抜け」だろうと、野鳥の生態が写っている方がいいと思います。静止画ではなく動画を撮っているのも、その方が(声も含めて)野鳥の生態が撮れるからです。
配慮した結果ではなく、私が例示したような言葉を使う発想がもともとないということですね。
私がここで書いている「フォトグラファー」は、Pokoponさんがおっしゃる「写真屋」と近いのかもかも知れません。
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Unknown (なまけ者鳥見人)
2014-09-02 12:16:54
初めまして。
松田さんのコメントからやってきました(^_^;)
そうですね、私は逆に「写真は撮らないんですか?」と聞かれたら、「野鳥を見るのにカメラは邪魔だから」と答えたり、「双眼鏡を扱うのにカメラは邪魔だから」と答えています(^_^)
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なまけ者鳥見人様 (fagus06)
2014-09-03 07:18:47
コメントありがとうございます。
そちらのブログも拝見しました。定点観測されているんですね。鳥見の基本ですが、私にはなかなかできません。
おっしゃるように、カメラを持っていると鳥見の邪魔になることがあります。
私の場合は動画なので必ず三脚が必要です。そうなるとスコープは持てません。
そして、ついつい撮影が先になって、観察が後になります。
純粋にバードウォッチングを楽しむなら、カメラは持たない方がいいと思います。ただ、動画で撮ると、意外な鳥の行動が記録できたり、声が記録できたりするので発見もあります。
ある程度撮れたら、後はじっくり鳥見を楽しむようにしています。
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