樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

天国の樹

2006年11月10日 | 木と言葉
         

この樹はニワウルシと言います。日本の自生種ではありません。
ウルシ科ではないのにこんな名前になったのは羽状複葉という共通点があるからでしょうが、ウルシ科の羽状複葉とはかなり印象が違います。私はシンジュ(神樹)という別名の方が好きです。
この樹が茂るインドネシアのモルッカ諸島では、天にも届く高い樹なので「天の樹」と呼んでいました。英語ではそのままtree of heaven、「天国の樹」と訳しました。ドイツ語ではゲッテルバウム、「神の樹」。
明治6年のウィーン万博に参加した日本の博物学者がこの種子を持ち帰って育て、このドイツ語から「神樹」と名づけたようです。その学者はシンジュを街路樹に採用するよう主張し、その根拠としてフランスで虫害が蔓延したときシンジュだけは害にあわなかったことを上げています。

      
       (ウルシ科の羽状複葉は小葉がもっと細いです。)

その主張が認められたのか、現在でも街路樹としてあちこちに植えられています。私が以前勤務していた大阪の会社の近くにもシンジュの街路樹がありました。
本来は奇数羽状複葉ですが、先端の小葉がちぎれていることが多く、偶数羽状複葉と勘違いします。私も当初は偶数羽状複葉だと思っていたので、なかなか同定できませんでした。
「天国の樹」という名前とは裏腹に、この葉には悪臭があるそうです。
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6 コメント

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シンジュの (woodyowaku)
2006-11-11 13:26:27
街路樹ですか、大木になって大変でしょうね、以前近くの川の河川改修で倒した木を4トントラックに2台ほどもらってきた事がありましたがその時に何の木か分からずに薪にした木がこのシンジュの木でした、樹肌はなんだかケヤキのようでもあるのに中身は白くて柔らかい、加工には不向きな材料だなというのがその時の印象でした。
一時流行った木でその時にたいそう植えられたとの事でした。年をとると案外味が出てくる樹のような気がしています、、、。
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Unknown (guitarbird)
2006-11-12 08:36:39
おはようございます、guitarbirdです

シンジュの街路樹は、札幌でも結構あって、
大木級になっているものもあります。
意図したものかどうか分からないのですが、
中央区の北西、つまり「北○条西●丁目」という住所の場所に多いです。
葉っぱの悪臭は気づきませんでした。
そいえば私が記事にした旭山の木の名札の中にも、
シンジュの材を使ったプレートがあって、渋い独特の色合いでした。
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そう言えばシンジュの用途は (fagus06)
2006-11-12 10:59:58
街路樹が中心で、材としてはあまり使われないようですね。
図鑑には、根や樹皮を薬にすると書いてあります。
そうですか、材は白くて柔らかいですか。家具を作っておられるwoodyowakuさんならではのコメント、ありがとうございました。
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葉っぱの悪臭は (fagus06)
2006-11-12 11:02:40
私も確かめていません。
本で読んだのですが、次回、葉っぱの匂いを確かめようと思います。でも、葉の位置が高いですからね・・・。
札幌なら、街路樹として似合いそうな気がします。何となく。
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シンジュ (bulbul)
2006-11-14 06:18:00
 八幡市桂川左岸、いわゆる三川合流、シンジュで森になってるところがあるんですよ、渡りの小鳥たちがしばし休憩したり、ちょっと前まで小屋を建てて住んでる人もいたり、楽園の様相でした。もっと前、いやずっとずっと前には村があったらしい、中州で土器集めしたこともありました。けっこう続いたらしく調べてもらったらいろいろな年代のものが混在してるらしかった。ここで10年あまりになりますか生態調査を続けています。ずいぶんいろんな鳥に出会いました。先日はコホウアカがいてました。オオアカゲラもみました、「この鳥はこんなとこには来ない」なんて断言する人を見かけることがありますが、やっぱりいつまでも謙虚でいるのが無難ですね (笑)
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シンジュの森が (fagus06)
2006-11-14 09:39:51
三川合流地点にありますか、知りませんでした。
近いので、私もよく鳥を見に出かけますが、シンジュの森には気がつきませんでした。

コムクドリも初めてここで見ました。オオアカゲラは岩清水八幡宮とか近くの山から飛んでくるのでしょうか。
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