樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

Norwegian Wood

2013年05月13日 | 木と作家
村上春樹の新作が1週間で100万部売れたと話題になっています。
この人の初期の作品を2~3冊読みましたが、人間の苦悩や憎悪、狂気を描かない作家のようなので、以後は話題になっても読んでいません。ある批評家が「現実感のない小説」「毒にも薬にもならない作品」みたいなことを書いていましたが、同感です。
何年か前の作品『ノルウェーの森』も話題になりました。作品中にビートルズの同名曲が登場することからこのタイトルになったようです。その曲の原題は『Norwegian Wood』。
ところが、これを「ノルウェーの森」とするのは誤訳で、正しくは「ノルウェーの木材」とか「ノルウェーの松材を使った安物のインテリア・家具」という意味だそうです。


うちにも安物の松材の家具がありますが、こちらはSwedish Wood

作者のポール・マッカートニー自身が「ノルウェー産の木材、松の木のことだよ。安物の松材さ。でも「安物の松材」じゃタイトルにならないだろう?」とコメントしていて、ビートルズのレコードを日本で発売した東芝EMIのディレクターも「意味を取り違えた」と認めているとか。
ビートルズのオリジナル歌詞は以下のようなもの。「昔ある女の子と仲良くなった いやむしろ彼女が僕をつかまえたと言うべきか 彼女は僕を部屋に案内してこう言った ねえ素敵でしょ? ノルウェーの木って」。
村上春樹は英語も堪能なはずですが、邦題を鵜呑みにしたのでしょう。私は英語力はないですが、woodsと複数形にすれば「森」なんでしょうね、漢字の「森」も複数の「木」ですから。
いまさら作品名を『ノルウェーの木材』と変更はできないでしょうが、この件に関して村上氏に質問するとノーコメントらしいです。

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4 コメント

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小説 (bulbul)
2013-05-13 14:44:46
 "はやりもの"は全く読みません、もっとも最近は本買ってもツン読ですが、ノルウェイの森がベストセラーって話し聞いた時は正直むかつきました。パクリやん、
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私もそうですが (fagus06)
2013-05-14 08:13:00
ビートルズ世代のbulbulさんとしては抵抗があるわけですね。分かりますよ、その感覚。
私も「流行りもの」とか芥川賞とか全く関心がないです。というか、そもそも小説を読まなくなりました。
サルトルだったか、「もう小説に書くべきものがなくなった」と言ったようですが、昔のような状況ではないのかも知れませんね。
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Unknown (guitarbird)
2013-05-15 13:05:01
こんにちわ
この曲はジョン・レノンがひとりで作っているはずで(名義はLennon-McCartneyですが)、ポールのその言葉はジョンの気持ちを推測し代弁したものではないかと考えます、違ったらすいません。
ところで、この曲の副題が(This Bird Had Flown)だから、やっぱり森を想像しますよね(笑)。
それとシタールの音がなぜか冷たい空気を連想させます。
インドという暖かい国の楽器なのに(冷涼な地域もインドにもあるでしょうけど)。
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さすがギタバさん (fagus06)
2013-05-16 08:12:19
レノンの作詞・作曲なんですね。ポールの話はウィキペディアの「ノルウェーの森」に出ていました。出典は「Many Years From Now」というポールのことを書いた本のようです。
この曲はご存知のようにアルバム「ラバーソウル」に収録されていました。私はまだ高校生でしたが、友達が買ったLPをみんなで聴いて、「これまでのビートルズとは違った風変わりな曲だな」と思いました。
そのほかの「ガール」や「ミッシェル」も今までとは違っていましたが…。
ご指摘のように「ノルウェーの森」には「鳥が飛び去った」という副題がありますね。多分、ギタバさんならそのことをコメントされるだろうと想定しておりました(笑)。
ビートルズの鳥の歌を記事にしようかと思ったことがあって調べたことがあります。「Blackbird」と「Flee as a Bird」、そして副題のこれ。
ブルースの中にもあるんですよ、鳥が出てくる歌詞が。いつかまた記事にします。
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