樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

梅雨の干拓地で鳥探し

2022年06月23日 | 野鳥
近くの干拓地で鳥探しをしてきました。この時期に出向くのは久しぶり。
干拓地に入るとあちこちから「ギョギョシ、ギョギョシ」の声が聞こえてきました。普通はブッシュの中でさえずるオオヨシキリが電線で鳴いています。電線の下のブッシュから聞こえる声は少なくとも4個体。目立つ場所の方が有利ということでしょうか。



最近あまり目にしないアマサギを探して田んぼの中を走っていると、5~6羽の群れがいました。この鳥は「亜麻鷺」と表記されることがありますが、正確には「飴鷺」。鎌倉時代に「あまさぎ」という記録があるものの、亜麻が日本に移入されたのは元禄時代なので、「亜麻鷺」はありえないそうです。「飴(あめ)」が「あま」になるのは「雨雲」「雨脚」と同じく転音。
同じアマサギなのに飴色ではなく全身白色の個体もたくさんいて、初心者はコサギと誤認するようですが、くちばしが黄色い小型の白鷺はアマサギです。



アマサギは昔に比べると数が少なくなりました。以前はわざわざ探しに行かなくても見られましたが、今は干拓地の中を走り回らないと遭遇できません。
一方、ケリはまだ普通に見られます。ここでは珍しくないのでほとんど撮影したことはないですが、じっくり見るとそれなりに美しい鳥です。



この干拓地の多くは久御山町に位置します。同町が町制施行65周年を迎えた3年前、京都支部に「町の鳥を制定したいので候補種を挙げてほしい」という依頼があり、優良農地の指標となるツバメ、ヒバリ、アマサギ、タマシギ、ケリの5種を提案し、町民の人気投票でケリに決まりました。
自治体の鳥は、最初から住民の人気投票で選ぶためかウグイスやメジロなどどこにでもいる種類に決まることが多く、地域の特色が表現されません。久御山町と同様、日本野鳥の会など野鳥に詳しい団体に相談して決めた方が地域の特性に合った鳥が制定できると思います。
コメント (2)
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