樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

有明海で泥まみれ

2022年03月24日 | 野鳥
先週の3連休、いつもの仲間3人で佐賀県の有明海へ2泊3日の鳥見ツアーに出かけました。3年前から計画していたのですが、コロナで2年連続断念し、今回ようやく実現しました。
有明海の北端にある東よか干潟に3日間通い、潮が引いて鳥がいなくなると、別の場所に移動して探鳥するという、まさに「鳥三昧」。いろいろ観察できたので、何回かに分けてご報告します。
まず、東よか干潟について。



干潟が満潮になると遊歩道が泥だらけになるので、長靴は必須。しかも、普通の長靴では泥にからまって靴が脱げてしまうので、日本野鳥の会が干潟での観察用に開発した特製の長靴を事前に購入しました。折り曲げて携帯できる上に軽いので、今回のような旅行にはぴったりです。
現地に到着すると、干潟の反対側にある農地の水路でヘラサギ7羽が出迎えてくれました。1995年と2001年に九州で、2014年に大阪で出会っているので初見ではないですが、こんな近くに7羽の小群がいることが驚きでした。その後、干潟でもじっくり観察できました。



そして、同じくヘラのようなクチバシで顔が黒いクロツラヘラサギもいました。しかも、50羽以上の群れが上空を飛び回ったり、海の中に並んだりしています。ヘラサギと同じく九州で2回のほか、2008年に沖縄で、2013年に大阪で出会いましたが、これほどの群れや飛翔を見るのは初めて。びっくりすると同時に、この豊かな環境に感動しました。



ズグロカモメもたくさん飛んでいました。カモメ類はあまり好きではないのですが、文字通り夏羽の黒い頭のズグロカモメは愛嬌があって親近感があります。



環境省のレッドリストでは、ヘラサギは情報不足、クロツラヘラサギは絶滅危惧IB、ズグロカモメも絶滅危惧IIに指定されています。そんな貴重な鳥が、当たり前のように群れになって目の前を飛び、餌を食べています。有明海の干潟の豊かさと重要性を実感しました。
現地では、首に双眼鏡をぶら下げ、右肩に三脚付きのカメラ、左肩に三脚付きのスコープをかついで、長い干潟を歩きまわりました。長靴はもちろん泥だらけ、さらに三脚に付着した泥がズボンやジャケットにも飛び火して、なぜか3人の中で私だけ泥まみれ。子供が遊んでいるような姿になってしまいました。
コメント (4)
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