樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

とりのうた

2022年03月10日 | 野鳥
日本野鳥の会の創設者・中西悟堂が、32種類の鳥について子ども向けの歌詞で表現し、それが昭和32年に出版された児童雑誌『こどもクラブ』の特集「とりのうた」として掲載されました。
例えば、「さんこうちょう」は以下。

 ながいおをして ほい ほい ほい
 もりの しげみを ぬけては くぐり
 青いめがねで ほい ほい ほい

 あたまにかんむり ほい ほい ほい
 くもの すのなか ぬけては くぐり
 青いあしして ほい ほい ほい

 山のたにまで ほい ほい ほい
 村の なのはな かすめてとんで
 青いおくちで ほい ほい ほい


下は10年前に近くの山の谷筋で撮ったサンコウチョウ。悟堂はその特徴である「ホイホイホイ」という鳴き声や青いアイリングや嘴を織り込みながら、生態もしっかり表現しています。



悟堂はもともと小説家志望で、俳句もたくさん詠んでいますから、言語表現の能力は高いものがあります。他の歌詞をみても、鳥の姿や生態を子ども向けの身近な言葉で、しかも歌詞としての限られた文字数の中で巧みに表現していて、その才能にあらためて敬服しました。
コメント (4)
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