樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

野鳥を食べる part-4

2017年11月09日 | 野鳥
このテーマをpart-1part-2part-3の3回に分けて投稿しましたが、もう1つご紹介します。part-3の洋食の料理書に登場する野鳥対して、今回は和食編。
『現代日本料理全集』という全12巻の料理書があり、そのうちの第5巻は「野鳥料理」。この本も京都府内の図書館にはないので大阪市立図書館で閲覧してきました。



前書きには次のように書いてあります。「野鳥料理といっても、現在では、ほんとうの野鳥を使用することができるのは、ごく限られた場合になっている。狩猟禁止鳥が多く、狩猟制限があり、野鳥そのものが少なくなっているからだ。したがって、一般に使用できるのは、養殖もので、正しくは野鳥とはいえない」。料理人としては本当は野鳥を料理したいのでしょうが、野鳥保護団体の活動の成果もあって、そうはできない苦しい立場がうかがえます。
レシピとして登場するのもアイガモ、ウズラ、キジ、スズメ、ホロホロ鳥、七面鳥などが中心ですが、最後に「狩猟禁止鳥の肉味」という興味深い章があります。
例えば、「アトリはツグミ同様に美味」とか「ミサゴは肉は生臭くて食べられないともいわれるが、皮を剥ぎ肉を油で炒ってから煮込むと、カラスや鵜よりも旨い」といったような記述が続きます。
さらに、「フクロウは肉味は悪くなく、炒ってもよく、汁にしてもよいといわれる。味は淡白で佳味、中国人はフクロウの肉を賞味するといわれている」、「モズは猛禽類の割合には味がよいといわれている。調理法は、あぶってつけ焼きにするか、肉と骨を叩きつぶして団子にして汁ものにすると旨い」など。
モズがおいしいとは思えませんが、キャベツの上に止まっていると食べられそうに思います(笑)



著者はこれらの野鳥を実際に食べて書いているのかというと、そうではないらしく、ほとんどが伝聞のようです。料理界にはそういう情報が伝わっているということでしょう。
コメント (2)
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