以前、バーダーが主役の推理小説『ワタリガラスはやかまし屋』をご紹介しました。作者であるクリスティン・ゴフが熱心なバーダーのようで、鳥やバードウオッチングの描写に全く違和感がなく、しかもストーリーが面白くて一気に読めます。
この作家はバーダーが主役の推理小説を5冊書いていて、うち2冊が翻訳されています。今回はもう1冊の『違いのわかる渡り鳥』をご紹介します。主人公はコロラド州にあるホテルのオーナーで、「渡り鳥協会」の会員でもある女性バーダー。
創元社推理文庫から発刊
ある日、友人と鳥見に出かけてスコープで珍しい鳥を探しているうちに偶然殺人現場を目撃する、というところから物語が始まります。
作中にはアカオノスリ、イワミソサザイ、ハシボソキツツキなど見たこともない鳥の名前がたくさん出てきます。また、いろんな設定にも鳥がからんでいます。
まず、殺人事件の原因が「バードフレンドリーコーヒー」。木を伐採せず鳥にやさしい方法で栽培されたオーガニックコーヒーが組織的に偽装されていたことに由来します。このコーヒーは日本でも発売されていて、日本野鳥の会で通販しています。
そのほか、「ワーブラー(ムシクイ)・カフェ」という店や「バードヘブン」という農場が登場するなど、バーダーの心をくすぐります。
物語の発端になった珍鳥はアカガオアメリカムシクイ。上の本の表紙にも描かれていますが、名前のとおり赤い顔のムシクイです。事件が解決した後、この珍鳥が再び主人公の前に姿を現すというのがラストシーン。
アカガオアメリカムシクイ(Public Domain)
原題は『DEATH OF A SONGBIRD』。コーヒーが事件にからんでいるので、昔のインスタントコーヒーのCMに使われた「違いのかわる」を借用したのでしょうが、含みも何もないこの邦題はいまいちですね。
この作家はバーダーが主役の推理小説を5冊書いていて、うち2冊が翻訳されています。今回はもう1冊の『違いのわかる渡り鳥』をご紹介します。主人公はコロラド州にあるホテルのオーナーで、「渡り鳥協会」の会員でもある女性バーダー。
創元社推理文庫から発刊
ある日、友人と鳥見に出かけてスコープで珍しい鳥を探しているうちに偶然殺人現場を目撃する、というところから物語が始まります。
作中にはアカオノスリ、イワミソサザイ、ハシボソキツツキなど見たこともない鳥の名前がたくさん出てきます。また、いろんな設定にも鳥がからんでいます。
まず、殺人事件の原因が「バードフレンドリーコーヒー」。木を伐採せず鳥にやさしい方法で栽培されたオーガニックコーヒーが組織的に偽装されていたことに由来します。このコーヒーは日本でも発売されていて、日本野鳥の会で通販しています。
そのほか、「ワーブラー(ムシクイ)・カフェ」という店や「バードヘブン」という農場が登場するなど、バーダーの心をくすぐります。
物語の発端になった珍鳥はアカガオアメリカムシクイ。上の本の表紙にも描かれていますが、名前のとおり赤い顔のムシクイです。事件が解決した後、この珍鳥が再び主人公の前に姿を現すというのがラストシーン。
アカガオアメリカムシクイ(Public Domain)
原題は『DEATH OF A SONGBIRD』。コーヒーが事件にからんでいるので、昔のインスタントコーヒーのCMに使われた「違いのかわる」を借用したのでしょうが、含みも何もないこの邦題はいまいちですね。