樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

月桂冠とオリーブ冠

2014年12月18日 | 木と文化
マラソンの優勝者には月桂冠が与えられます。また、F1レースの優勝者も月桂冠を首にかけて表彰台に登ります。
一般的に、オリンピックなどスポーツ大会の勝者は月桂冠を頭に飾ると思われていますが、これは間違いだそうです。スポーツの勝者に与えられるのは、本来は月桂冠ではなくオリーブで作った冠。


庭のオリーブで作ったオリーブ冠

そもそも、古代ギリシャの英雄ヘラクレスがオリンピアの庭に植えたオリーブの枝を、オリンピックの勝者に与えたことが由来。2004年のアテネオリンピックでも、優勝者には金メダルとともにオリーブ冠が与えられたそうです。
一方、ゲッケイジュは文化芸術の神・アポロンの聖樹とされていて、その枝で作った月桂冠は詩人や文人の頭上を飾るもの。ノーベル賞受賞者がNobel Laureates(ノーベルのローリエを冠された者)と呼ばれるのも、そういう意味からだそうです。
スポーツではオリーブ冠、文化では月桂冠というわけです。


庭のゲッケイジュで作った月桂冠

最近はその間違いに気づいたスポーツ関係者も多いようで、2012年の大阪国際マラソンでは、それまで優勝者に授与していた月桂冠をオリーブ冠に変えたとのこと。
オリーブが平和のシンボルになったのも、都市国家どうしで戦争を繰り返していた古代ギリシャにおいて、オリンピック開催中だけは休戦にしたからだそうです。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする