今年は映画を23本観ました。そのうち8本は自然や歴史などのドキュメント、5本は東宝系の年間企画「何度見てもすごい50本」。
観納めは、フランスのアカデミー賞と言われるセザール賞の7部門に輝いた『セラフィーヌの庭』。アメリカ映画のような派手さはないですが、ヨーロッパ映画ならではのしっとりとした作品です。
趣味で絵を描いている家政婦がある画商に見出されて売れっ子の作家になるという、実在の画家セラフィーヌ・ルイの物語。この画家のことは知りませんでしたが、ゴッホのような熱でルソーのような絵を描く作家です。
セラフィーヌは自然が大好きで、草や木から自分独自の絵の具を作ったり、時間があれば木に登って村の景色を眺めているというナチュラル・ウーマン。画商にも「悲しい時は田舎に行って木に触ったり、植物や動物と話をすると悲しみが消えますよ。本当です」と教えます。描く題材も樹木や花ばかり。
最終的には精神を病んで病院に収容されるのですが、その庭にある大きな木の下に小さなイスを持ち運んで座るというラストシーンがとても印象的でした。彼女にとっては、木のそばで過ごしているのがもっとも心安らぐ時間だったのでしょう。分かるような気がします。予告編の最後にもそのシーンがあります。
さて、当ブログも今年はこれにて閉店です。1年間お付き合いいただきありがとうございました。来年は3日からスタートします。みなさま、良いお年をお迎えください。