樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

落ち葉の行方

2008年11月19日 | 樹木
関西も紅葉のピークを迎え、この後は「♪枯葉よ~」の落葉シーズン。私は以前から疑問なんですが、落ちた葉っぱは最終的にどこに行くのでしょう? 
山の落ち葉は土に還るし、街路樹や庭木の落ち葉はそれぞれの管理者が掃除してゴミとして焼却します。でも、誰も管理していない小さな公園や並木の枯葉は、地面に落ちた後、風に吹き寄せられてどこかに集まるはずですが、冬になり春を迎える頃にはどこにも姿が見えません。
あのたくさんの落ち葉はどこに行ったのでしょう? 昔の漫才師じゃないですが、「それを考えると夜も眠れない」。

       
        (近所のサクラの落ち葉。彼らはこの後どこへ消えるの?)

落ち葉の処理にも手間やコストがかかります。日本では財政難から、コストを省くために街路樹を切り倒す自治体もあるとか。一方、ドイツでは樹木は市民の共有財産という認識があるので、周囲80cm以上の樹木は公有地でも私有地でも伐採禁止だそうです。
そのドイツでも落ち葉の処理には頭を悩ましているようです。庭のある家ではコンポストを設置し、野菜クズと一緒に処理して堆肥にするとか。大量の落ち葉や剪定枝など家庭用コンポストで処理できないものは、公共サービスとして無料で収集し、処理場でバイオマス燃料や堆肥に再生して活用するそうです。

       
     (わが家のコンポスト。今はモクレンやツルウメモドキの枯葉が多い)

わが家でもコンポストを利用しています。野菜や果物のクズに、今の時期は落ち葉が加わります。近くのお寺に来るマナーの悪い観光客やタクシーの運転手が捨てる吸殻やゴミなど、無機物が混じる時はゴミ箱に捨てますが、ほぼ毎日落ち葉の掃除をするのでコンポストが一気に満杯になります。
地面に穴を掘って、底のないバケツみたいな容器を埋め込むだけの簡単なタイプですが、満杯になったら容器を外し、土をかぶせて1~2年寝かせておくと、黒い堆肥になります。穴を3つ掘って1年ごとにローテーションしています。

       
     (容器を外した状態。今年1年分の野菜クズや枯葉の成れの果て)

面白いことに、堆肥の中から毎年カボチャが蔓を伸ばして1~2個実をつけます。野菜クズの中の種が勝手に発芽して成長するようです。小さくて形もいびつな土手カボチャですが、収穫して食べます。

       
        (2年前に埋めたコンポスト。こんな黒い堆肥になります)

コンポストの蓋を開けるとミミズがいっぱいうごめいています。コンポスト用のミミズも売っているそうですが、うちのミミズはどこかから勝手に集まってきました。
落ち葉の行方もそうですが、あのミミズたちはどこからやって来たのだろう? それを考えるとまた眠れなくなる。
コメント (6)
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