2022/07/31b 記
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(続き)
日が走る様に過ぎていく。白い壁を見ても、白い輪が見える不思議。目を休ませねばと思いつつ、毒を飲むならの感覚で、この幻視の正体を探ってやろうと思う。
眼科医は面食らいながら「飛蚊症」だと決めつける。闇の中でもくっきり見えると反論すると、眼球の病ではなく、視神経•脳の病ゆえ、脳神経科に送ろうとし、MRI異常なし。わからないとなる。眼球を軽く押すと一時消える。視神経かなといえば、沈黙し、処方箋を作って、様子を見ましょうと逃げる。いつもおなじ。
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目を閉じて、流れ去る時間には私はいない。環境との対話がひらかれた、自分のいる時空に戻りたい。
バリウム検査のときの失神を思い出してていた。コンセントが抜けたTVのように、ぷっつり意識がなくなり、突然放射線技師の顔があった。幼い頃から、「私はいなくなるんだ」というあっけらかんとした気付きがあった。それを連想した。死はこわくないが、突然の終了は、堪忍してほしい。無間地獄に落ちた闇で、このネオン•サインのあの騒々しい白い輪をみるのかなぁなどと、思っていた。
見えなくなるサインかなあとおもえば、まだ見える時間が欲しい。眉間に祈った。
(校正1回目済み)