政治や経済には波瀾含みの方が言葉は悪いが関心が向く。それはどちらもが明日の生活に、いつか必ず結びついてくるからに他ならない。国からの給付を増やせば国の借金は増え子孫につけを残す。逆になれば日々の生活に即響き家計を圧迫する。痛しかゆしとなる。誰もわかっているはずなのに目先の餌だけにつられ、万人が願う方にならない。
便利、手数料が安い、仮想通貨についてそんなCMが流れている中で、素人には理解できない事件が起きた。わずか20数分の間に数百億円の金が流失したという。その行方は今も不明らしい。人の金を人が失敬したのだから窃盗と思うが、流失というのはやはり仮想の世界だからか。株価は日米とも金利の上昇伺いから大幅な値下がりに揺れている。私的には素人で無関係だから直接の波瀾はない。
無風は文字の通り風のないこと。気象的には、煙がまっすぐに上るくらいの気流の状態、無風快晴という。無風状態と言えば波瀾や影響のないことをいう。波瀾含みといえば無風状態と違い何か事件や大きな変化が起きるような様子をいう。日常生活では無風よりは興味がわく言葉と言える。
エンゲル係数が高くなったのは「経済が良好で、家計が豊かになったから」という答えがあった。小学生のテスト回答ならいざ知らず、国会答弁だから厭きれる。エンゲル係数はここ3年急上昇しており、特に高齢者のその高さが全体を引き上げている。高齢者層もいつまでも声なき無風層ではいけない。世情にいい緊張をもたらす風を送り込みたい。