公営の市営バスは民営化され、便利になるどころか利用者には不便になっている。経営維持のためには合理化が欠かせないことは理解できるが公共性が失われないように願いたい。幹線道路を外れて運行されていた循環バスは歓迎されていた。市政の変化とともに不便になり、知りあいの高齢者は買い物難民になったと無理やり笑って見せた。最近、折込やポストインで新たなバス路線の廃止のチラシが複数回届く。
散歩する道沿いの幾つものバス停時刻表にその知らせが張ってある。廃止に伴い代替になる近くのバス停が案内されている。そこは300から500㍍くらい遠くなる。バス利用の高齢者は寒かったり暑かったり、雨や雪の日には出かけることを見合わせるようになろう。
人口減それも若年層の減少、空き家の増加、商店や商業施設の相次ぐ閉店や撤退など、幾つもの要因が絡み合い路線バスの減便や路線廃止に連なっている。地域再生や過疎化対策など策は聞こえるが実っていない。高齢者にはさほど関係のない箱物行政は進んでいるが、交通弱者が住居の近くで買い物ができるなどという市民の足元を強くする策は聞こえない。
ある製品が成長を続け右肩上がりで伸びていく。それはある時点で放物線の頂点に達する。達すれば以降は右下がりで下降する。頂点に達する前に見極め改良改善を施すのが経営者の力で、従業員は安心して働く。少子高齢化が言われて久しいが歯止めがかからない。バスは便数減でなんとか対応できるが人の生活にそんな手はない。箱物だけの自治から早く脱して欲しい。