今日は旧暦での1月1日、旧正月に当たる。祖父母が元気なころ、といっても昭和20年代前半という古い話になるが旧正月用の餅をついていた。それは何故なのか訊ねたことはないが、戦後の食料事情の厳しいころのことで嬉しかった。今、旧正月の行事が引き継がれている地域があるのだろうか。隣国の韓国や中国、ベトナムなどの賑わいは報道で見ている。
高校のクラスメートの一人が、ある国内企業のマレーシア工場長として定年を挟んで10年以上勤務していた。その彼とは懇意で、現地工場を訪問したこともある。従業員はマレーシア、中国、フィリッピンがほぼ同数の比率だった。そんな彼からの年賀状は中国系正月、日本の旧正月に届いていた(写真は2000年の賀状)。同じ頃にイスラムの断食明けなどでこれからが新年などと教えてくれた。
その彼はリタイヤ後に神戸に居を構えた。昨年の夏、岩国で一杯やろうと打ち合わせ彼も私も楽しみにその日を待っていた。直前になり急性の悪疾が進行し杯は交わせず、約束した日からまもなく還らぬ人となった。リタイヤ後も何度か飲み会で顔を合わし賀状も届いていたが、今年からは途切れた。
旧正月ということで思い出しマレーシアからの賀状取り出して読み直した。日本人のマレーシア駐在員としては長老となった賀状には仕事はもとより、ペナンの街や政経両面に関する情報、日本や出向元企業への思いが綴られている。映画は洋画しか観ない英語通だった彼、それがペナンでの仕事に活きたとい話しを思い出し、冥福を祈りながらパソコンを閉じる。