中秋の名月、暦では4日の月とあるが「まん丸は6日、その日は天気が気がかり」
と気象予報士の説明。それなら4日の月をと、手のひらサイズのデジカメを持って月の出を待つ。ポジションが悪く上り始めた月は近くの屋根に立つTVアンテナで半分に、他に場所は無し。アンテナの上にのぼるまでパソコンの前で過ごす。
もういいでしょう、とカメラのSWをON。アンテナの先端がわずかに月に掛かる。眺めているとほどなくアンテナから外れる、意外と早い月の動きに気づくき、思いがけなく新しい発見をした気分になる。液晶モニターにうまく月を配置しようとカメラをほんの僅か動かしたり、ズームレバーをわずかに回すと、月は生き物のようにモニターから出入りする。天空にレンズを向けるときはいつもこんな調子だ。あとは自己流で撮る。
「旧暦15日の月を満月と呼ぶが、月は地球の周りをピッタリ30日で1周するわけではないこと、月の軌道がが楕円であるなどから実際の満月は1日か2日ずれることが多い」という説明を聞くと、暦と実際の差が起きることが分る。中秋の名月が満月の一歩手前、とはいえこのくらいの違いは気にならないし、名月に変わりない。ススキも団子もないが一句浮かばないかと眺める。
昨夜からの雨はやむことなく降り続き、名月を撮っておいてよかった。そんな1枚が昨夕の民放で短時間だが紹介された。これも記念に写しておいた。秋の月を眺めながら、朝刊の「重力波観測」でノーベル物理学賞受賞の記事を思い出す。これはアインシュタイン「最後の宿題」への答えという。アインシュタインは満月を観測しただろうか、ふと思った。