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日々のことを徒然に

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重機の解体技術 感心

2015年04月07日 | エッセイサロン
2015年04月07日 中国新聞「広場」掲載

 向かいの家が新築のために解体された。重機による解体作業は、一挙に取り崩す荒っぽい作業だろうと思っていた。ところが、間近で眺めてみると、大きな思い違いに気付いた。

 重機が解体する箇所をしっかりつかむと、操縦者はそれをゆっくりと引き寄せる。つかんだ箇所だけが取り除かれ、その周辺まで大きく崩れることはない。

 どの箇所も同じように解体が進む。そこには、計算された手順が操縦者の頭にあるように思えた。土ぼこりが立ちこめる光景を予想していたが、裏切られた。

 解体した残骸は、重機で木材や金属などの種類ごとに分類していく。崩れた土壁の中に埋没している木片まで重機で拾い出す。

 その仕分けのスピードや処理する量は、人の手ではとてもかなわない。 

 重機は強力な粉砕力だけでなく、人の手に引けをとらない細かな仕分けもやりこなす。重機と操縦者の一体感を感じ、作業を見飽きることがなかった。

 知っているつもりや、先入観の怖さを反省し、観察することの大切さを強く認識させられた。
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