山口県道15号は岩国玖珂線で岩国市内の主要道路のひとつ。市内錦見新愛宕橋から玖珂町の野口交差点の間で、地元では開通当初から欽明路道路と呼ばれ親しまれている。当初は有料道路、といっても料金所は1個所で地元の人は抜け道を知っていた。それでも交通量が予想を超え償還予定を繰り上げ無料解放され非常に珍しい事例と注目された。
その一つに「欽明路バイバス」という別称が証明している。15号が開通するまでは市内錦見から玖珂町へは国道2号線しかルートはない。この区間は長い登坂道路でカーブが多く、長距離大型トラックのエンジン音は気の毒なほど苦しそうだった。欽明路道路は山越えをするが2号線に比べればいかほどの苦痛もなく、距離はおよそ半分となれば、2号線のバイバスなり料金収入も計画値を超えた、という素人の判断。
工事中、年少の息子を連れて工事用のダンプカーを眺めていた。ある時、1台のダンプが寄ってくる、何事かと思っていると窓が開き「乗ってみんかい」と運転席からの声は同級生、誘われるまま息子は喜んで乗った。しかし、工事中の道路は遠慮なしの凹凸が続く。左右に揺れながらも高い運転席からの眺めに息子は喜んでいた。
開通初日、初めての自動車を購入したころだった。開通記念で配布された無料通行券で走った。夜道ではあったが、山を切り開いた暗い道路だと、慎重にハンドルを握った。あれから40数年、生活に欠かせない道路になった。通勤、物流、レジャーなど多彩な車が走る。通行車両は1日3万台余りの記録がある。主要道路は生活の動脈にもなっている。事故の起きないことを祈る。