2011年から雑誌「文藝春秋」の表紙絵を描いている日本画家の勝村公嗣氏が、恩師片岡球子先生の思い出の中で「絵は下手でよい。大事なのは続けることだよ」という言葉が私の中に生きている、と随筆に書かれている。絵手紙をかじったときも「下手でいい、下手がいい」と初めに言われた。それは自分にしか書けない絵と文字で元気と温かさを届けられればいいという意味らしい。
新聞に掲載されたエッセイを初めて読んでくれた年配の人から「知的な趣味をお持ちで」といわれ返事に戸惑った。続けて「自分の体験を文章にして考えを知ってもえることは喜ばしい」、身に余る声掛けをしてもらう。終わりに「創作は続けなさい」とひと言付け加えられた。偶然だけどブログ3千回のコメントでも継続するようにと励まされた。
「継続は力なり」という諺がある。その解釈はいくつかあるが「 今は力不足であっても、根気よく努力を続ければ、やがて積み重なって自分の力となり成就する」そんな都合よい意味に捕らえている。
「雨垂れ石をも穿つ」「泰山の溜(したたり)石を穿つ」「人跡繁れば山も窪む」など似たような諺がある。どれも長い長い年月を要してそこに至れることを言い聞かせる。諺のいう年月に比べれば人生の長さは点ほどのものだろう。それでも事は続けろという先人の教え、肩肘を張らず気負わない姿で書いて投稿する、これを楽しみたい。