
今日の予定、午前中は陶芸とデジカメの会のコラボ「しろうと展」の当番。午後はプライベート。それを確認していて気づいた。「今日は何の日」としてあらかじめ記載されていたのは「ソロバンの日」。今日は8と8の日、パチパチと珠をはじく音にかけて「ソロバンの日」となった。室町時代に中国から伝わったが、日本で発達をとげ、電卓が登場するまでは事務作業に欠かすことができない大きな存在だった。
来年50回忌を迎える父が愛用していた算盤が私の引き出しにある。それには「郵便貯金八十億圓記念」という右書きの小さな銘板が付いている。郵便局員だった父の所持品として不思議ではない。貯金八十億円達成はいつころか、JPに問い合わせたら、昭和16年ころと回答をもらった。それは私の生まれた翌年、とするとこの算盤は弟になる。
その算盤は13桁の五つ珠。茶色な球は少し色あせているが、すらすらと動き、70年の歳月を感じさせない。また、ひずみや緩みもない原型を保っているようで、丈夫な作りを感じる。わたしの身体より若さを感じさせる。算盤、最近、基礎的な計算能力と集中力をつけるためとして子どもをそろばん塾に通わせる親が増えたという。近くの塾の窓からもパチパチと聞こえる。
ずいぶん前に聞いた話。自分たちもそうだったが、日本では掛け算を暗記するのは一桁の9×9までとなっている。インドでは99×99の二桁までを暗記させる。これは暗算力を高め計算をコンピュータ任せにしないことらしい。珠算8段の人の暗算力をそばで見たが、表の数字を読み、電卓へ打ち込む何倍もの速さだった。パソコン任せで計算力や集中力が下がらないよう若い人の努力に期待する。