ダブログ宣言!

ひとりでするのがブログなら、
ふたりでするのがダブログ。

☆「ニーチェ伝」読書中

2009年02月04日 01時05分55秒 | 文学
ヨアヒム・ケーラーの「ニーチェ伝」(青土社)を図書館から借りて読んでいるが、ニーチェについて知らないことがたくさん出てくる(当たり前だけど)。
そもそもニーチェに同性愛傾向があったという話に驚いてこの本を読みだしたのだけれど、それ以外にもトーマス・マンの「ファウスト博士」はニーチェをモデルにしているとか、マゾッホの「毛皮を着たヴィーナス」が「ツァラトゥストラ」の元ネタになっているとか、そんな話に驚かされる。
驚かされる、と言いながら「ファウスト博士」も「毛皮を着たヴィーナス」も読んだことはないわけなのだが……。
ニーチェの妹のエリーザベトがものすごい悪人に描かれている。
ニーチェは発狂してから間もなく死んだような印象だったが、実際には十年以上生きている。その間に妹がいろいろと処分して兄の虚像を作ったというように描かれている。
死後に原稿を処分してくれとカフカに頼まれていた友人が言いつけを守らず、自分の解釈で残された原稿をキリスト教的に解釈して編集して出版したというような話があったように思うのだが(すみません。いい加減な記憶です。)、まあそういう、立派な人物を凡庸な人が自分の解釈でちいさく萎ませて世に出しちゃったという伝説はよくあるのだなあ。
実際に、現在世に出ているよりも本物は別のものだった、かどうかよりも、凡庸な人間には計り知れない人間だったと思いたがる傾向が一般にあるような気もする。特に、夭折した人、発狂した人、生前無名だった人を思うとき。
おもしろい本だけれど、長すぎる。
やっと三分の一読んだ。

NHKで辺見庸がカミュの「ペスト」について語っていて、読みたくなった。
いろいろと読みたいものが増える。
コメント