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Cocco「ポロメリア」:幻冬舎

2011年01月30日 | 「Weekly 読書感想」

                      

 元沖縄で圧倒的に人気ある歌手アーチスト・Cocco初の書き下し小説。標題「ポロメリア」は花の名前で歌手である著者の曲名でもあるという。

“ドスンッツ”という校舎4階から身投げの音で始まり“バイバイ”で終わる全編、擬音オンパレード、さながらヒップホップ、ラップ調のこの世代ならではの独特の語り筆致自分史と言えます。

幼時に育ったという那覇市・桜坂界隈の詳細な描写には懐かしさを感づる共に、全編に両親、姉、愛犬への思慕と情愛が底辺に流れる。

 中でも沖縄独特の行事・旧盆の清明祭(シーミー)に亀甲墓前に親族が一同に集う中での沖縄演劇界巨匠である一族の重鎮祖父、真喜志康忠への尊敬と賛歌描写は印象的。

 というのは私はかつて、ひょんな縁から現在病に伏す真喜志康忠師匠がご壮健の頃、その愛娘と3人で食事をご一緒したことがあるからです。

 今や伝説の沖縄芝居巨匠の血を引くこの若き特異な鬼才・Coccoの書を読みつつ思うことは建設・実業界の故国場幸太郎と共に演劇・歌謡の沖縄芸術界に多彩な子孫を輩出した真喜志康忠氏は近代モラル価値観を越えた沖縄人材脈源の双璧とも言えます。

         

  (拙書「おきなわ就活塾」(新宿書房)出版パーティを

  報じる08・4月号「オキナワグラフ」表紙を飾るCocco) 

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3 コメント

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真喜志康忠師匠の愛娘 (マツゲン)
2011-01-31 10:04:43
「真喜志康忠師匠の愛娘」とは、現在桜坂のおでん屋「E」をなさっている方ではありませんか? その店には、沖縄訪問の際によく訪れるのですが、通い始めて知ったのは、店主はCoccoの叔母だという噂になっていることでした。
一度、私が泡瀬干潟の埋め立て事業の無駄を書いた共著を差し上げて、Coccoにも知らせるように言ったら、彼女はCoccoの話には触れないようにしているようでしたが…。
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Cocco (itou)
2011-01-31 14:09:14
どういうわけかCoccoのCDを持っています。彼女が沖縄出身とは知らなかった。南国の音楽性の豊かさには感嘆しますね。
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Unknown (Unknown)
2011-01-31 14:38:26
Coccoの祖父・真喜志康忠師匠の子弟は多肢、複雑、桜坂のおでん屋ママもその一人には間違いないでしょう!
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