沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史佐野 眞一集英社インターナショナルこのアイテムの詳細を見る |
当時”これ差別じゃないか!”等と言おうものなら”じゃ、帰ればいいじゃないか!”と言われたもの。その中でも創価学会だけは平等に扱ってくれた。そのためにいまでも浦添、城間(ぐすくま)を中心に奄美出身の公明党・学会員が多いこと、本書にも抜かりなく書かれている。
当時の大島人パージは米国民政府の指令と言われているが、後ろには追放されたポジションを踏襲できる地元沖縄人の陳情があったともいう。何故奄美出身者がかくも多く枢要ポジションを占めていたか?それは、終戦直後のペーパーテストの上位は多く大島人が占めたという事情が背景にあったようです。それは大島出身者のIQが高かったというより、鹿児島の影響を受けた立身出世価値観、尚学マインドが沖縄より高かった故と思う。それ他、私が小学の頃古仁屋で縄張りを仕切り、よく顔を見た顔役・マジ・アニョ(清真島兄)の復帰前の沖縄アウトロー界蹂躙と暗躍談。復帰による彼の大島パージで旭琉会等の地元ヤクザの台頭。
それより川平県人会長4代物語等数多いインタビュー相手の中に同期の高里鈴代、金城康子、宮城義明等の登場にはびっくり。レキオスファーマー社長で元舜ママの奥キヌ子さん、「絹」の池田ママさん、「松乃下」のアイヴォさんや宮里さん等多くの知人登場に寝る間も無くページを追った。
しかし、沖縄だけでなく大阪だって北海道だって、こうしたスキャンダル、アンダーグランド挿話を繋ぎ合わせた筆致で描けるのではないか。ここに描写されている“異郷”沖縄ストーリー!どう理解するか、暫く経たないと総括出来ない。