センスプロデュース研究所!

ヒトの五感と脳の関係、ヒトの五感の重要性の提唱、研究を行っている者です。

「愛のホルモン」で夫婦間ストレスが減少

2006-12-18 09:32:40 | 感覚
「love hormone(愛のホルモン)」と呼ばれるオキシトシンに、夫婦げんかを鎮める効果があるという。オキシトシンは、人間関係や他人との心理的境界を健全に保つ能力に関係があると考えられているが、緊迫した状況でのストレスを軽減させるはたらきもあることが示され、ピッツバーグで開催された国際神経内分泌学会で報告された。
米エモリー大学(ジョージア州)精神学行動科学のBeate Ditzen氏らは、50組のカップルのうち半数にはオキシトシンの含まれる鼻腔スプレー薬を投与し、残りにプラセボ(偽薬)を投与した後、それぞれの抱える未解決の問題について模擬的に口論をさせた。唾液中のコルチゾル(ストレスの多い条件下で増大するホルモン)の濃度が測定され、カップルは自分たちの関係を評価するアンケートに回答した。
この結果、オキシトシン群では、プラセボ群に比べコルチゾル濃度に有意な減少がみられたという。さらにオキシトシン群の夫婦は、マイナスの感情もプラスの感情も素直に表現することができた。「心理学的見地からいえば、これはまさに争いを解決しようとする行動」だとDitzen氏は述べている。
オキシトシンは脳で産生され下垂体から分泌されるホルモンで、人を信じる能力や互いをいたわる能力に関わりがあるとされている。昨年(2005年)秋に実施された日本と米国による共同研究では、オキシトシンを与えずに育てた雌マウスが仔マウスの世話をしないことがわかっている。このホルモンが、自閉症など一部の精神障害の治療にも有用である可能性を指摘する専門家もいる。
今回の会議で発表された別の研究では、テストステロンやコルチゾルなどのホルモンがスポーツの「本拠地効果」の一端を担う可能性も示された。カナダのアイスホッケーチームを対象に試合前後のホルモン濃度を測定した結果、本拠地の試合では遠征試合に比べテストステロンおよびコルチゾルの濃度がいずれも高く、領地を守ろうとする意識とストレスがともに大きいことがわかったという。
日経米国医療ニュースより引用、
以前、私のブログでも紹介したが、腹八分のお腹が少し空腹だと感じた位が身体の疲れややる気が起こるものである。
これらに影響しているのが脳内物質の一種の「オキシトシン」なのである。やる気の物質とも言われ、スポーツ選手の所謂ハングリー精神の基にもなる物質である。
今回の研究は、このオキシトシン物質が夫婦間のストレスを低減するという研究報告である。以前にも、この物質が夫婦間のセックスに関わっていることは知られていた。私はこの物質を「仲直り物質」と名付けていたことがある。
オキシトシン物質は、人の脳の下垂体から分泌されるホルモンで、人が人を労ることや思いやりなどの感情に関わっている。
最近、人に対する思いやりや労る心が欠如しているのも、脳生理学的に説明するとこのオキシトシン物質が減少していることとも関係しているようだ。
親が子供を虐待したり、夫が妻に対する暴力などこれらの行為は脳の病でもあり、私はオキシトシン物質の減少により、引き起こされる行動だと仮説を立てている。よって、オキシトシン物質の投与によって改善が見られる可能性はあると考えている。
臨床試験を行わなければ成らず、今後の研究課題でもある。
私共は来年以降に北関東に医療施設や研究所(生命科学研究所)を構想しているが、この施設で本格的に人の脳、脳内物質の変化がもたらすヒトへの影響など研究したいと考えている。
今後、私のブログでは米国医療ニュースから面白いと思った題材や研究を取り上げ紹介したいと思う。
いつも最後までご愛読頂き感謝申し上げます。
五感教育研究所、主席研究員、荒木行彦、


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