センスプロデュース研究所!

ヒトの五感と脳の関係、ヒトの五感の重要性の提唱、研究を行っている者です。

好き嫌いの感情って!

2010-05-21 00:00:28 | 感覚、五感
私たち人は、好き嫌いが激しい生き物である。食べ物の好き嫌い、恋愛感情、趣向など様々な好き嫌いがあります。
私たちの脳内でも、快感、楽しい、美味しい、楽だが好きで、逆に不快、辛い、悲しい、不味いが嫌いである。これらの好き嫌いの感情は脳の「扁桃体」という脳部で感じています。
では、恋愛感情となると複雑な感情が生まれます。胸をときめかしたり、顔が赤くなったりと、これらは好き嫌いの感情とは違い、人を思いやる。愛するという感情なのです。ではこれら異性を愛したりする感情は脳の奥底に位置している「尾状核」という脳が愛情に関わっているのです。
最近は、人の五感に関する。好き嫌いがはっきりしているのです。臭い匂いが嫌いとか、不味い料理が嫌い、雑音が嫌いなど不快と感じる物はすべてと思えるほど毛嫌いされている。例えば、夏の風物詩の音も嫌われているのである。風鈴の音色、盆踊りの太鼓の音、蝉の鳴き声、野鳥の鳴き声も「うるさいと嫌われる」のである。だから、無音という傾向を好むことになる。
逆に、快適な物は好きで好まれるのである。心地良い匂いや良い匂い、美味しい食事、心地良い音などが好まれている。
つまり、現代人、特に日本人は「好き嫌いがはっきりしてきた」と言えるだろう。
私は仕事柄、芸能人やテレビ局のスタッフなどと一緒に仕事もすることがあるが、よく質問されるのは、最近の子どもたちや若者たちの感覚がおかしくなっていませんかと質問される。まさしく、この好き嫌いがはっきりしてきた事とも関係していると思われる。
私は日本人には、「曖昧の美学」と呼んでいるが、好き嫌いをあまりはっきりさせずに、曖昧に誤魔化してきた。つまり、人との関わりコミュニケーションが上手くとれていたから、愛想笑いなどがまさしくそうであるように相手に対して、好き嫌いの表現を曖昧にして、相手の気持ちを考えて「思いやりがあったのである」。例えば、貴方が好きですと告白されると、私たちが若き頃は、相手を傷つけまいと「友達からなら」と誤魔化し、嫌いだから諦めてくれとは言えなかったのである。ところが、最近の若者たちは告白されても、はっきりお断りするとか、嫌いと口に出して言う傾向が強いようである。これらも好き嫌いの感情、また、人とのコミュニケーション能力が欠如している。コミュニケーション能力の低下の表れだと私は感じている。
好き嫌いをはっきりいうことは時には良いことであっても、相手を傷つけたり、言葉の暴力にも繋がるのである。
私は、人の五感研究から、嫌いな事にも我慢し、辛いことも受け止め感じることを提唱している。例えば、臭い匂いや不味い料理、刺激の強い食材を嫌い、毛嫌いすると、五感の鍛錬に繋がらず、脳も活性化しない。つまり、良い匂いだけでなく、不味い料理も食べる。これらの嫌いな体験が、より一層、良い匂い、美味しい料理と比較して感じられることで、五感も鋭くなり、脳の発達、活動も高まるのである。これらを私は「精神適応能力」と呼んでいるが、少し、うるさい、気になる臭い、音、味と気に合わないと毛嫌いして、イライラして興奮する。そして、脳の興奮状態をコントロール出来ず、時に暴力や異常行動を起こすことに繋がるのです。
ですから、精神の安定、正常化させるためにも、五感を総動員して、外的情報を脳に送り、受け止める体験を積み重ねることである。嫌いだから、嫌だから、不快だからとすぐに毛嫌いし、否定してしまうと脳に記憶されずに、体験出来ない。これらの状態が五感の体験不足、刺激不足の状態であり、精神的にも安定せず、すぐに興奮して、イライラし、脳の抑制能力(理性)の働きも低下するので、何時までも興奮する。
2年前に夏に隣人の風鈴の音色がうるさいとトラブルになり、殺人事件を起こした若者がそうであるように、嫌いな物、嫌いな刺激、嫌いな状態を否定しまうと精神的に不安定になり、危険であると私は警鐘を鳴らしながら皆様に警告の意味も含め、ブログやテレビの取材からコメントを出して提唱している。
ここに私共の人の五感研究の神髄があるのです。人の五感のパイオニア企業として今後とも人の五感の重要性を提唱し続けて参ります。
五感教育研究所、主席研究員、荒木行彦、


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