センスプロデュース研究所!

ヒトの五感と脳の関係、ヒトの五感の重要性の提唱、研究を行っている者です。

ノンアルコールビール開発物語!

2010-05-10 00:00:43 | 感覚、五感
最近、テレビCMでもノンアルコールビールが登場し、ヒットしているビールである。
このノンアルコールビールは以前には、酒造法というアルコール1%未満ならノンアルコールビールとして販売されていて、飲んだ事があるがビール擬きであり、美味しい物ではなかった。
今回キリンビールから販売されている「キリンフリー」は、ある若手の女性の何気ない発想から誕生したものである。
彼女が25歳の時、外資系から中途採用でキリンに入社し、飲み会で上司から君はどのようなビールを造りたいと聞かれると「社会に貢献できるビール」
と答えた。その言葉を当時の部長が「ノンアルコールビール」の開発、参加を命じたのである。当初は試行錯誤の繰り返しで、新商品開発部の苦労が続いたのである。
ビールは、ポップと麦芽に酵母を混ぜ、発光させることでアルコールになりもコクとビール独特の喉越しを生むのである。
ノンアルコールビールは、酵母を加えない工法から考え直さなくてはならなかった。ポップと麦芽だけではビール本来のコクと酸味、喉越しには繋がらず到底ビールとして販売できる品物ではない。
そこで、キリンのビール工場の担当者は、新技術を採用し、特許技術を3つの香り、コク、酸味、喉越しが完成したのである。キリンビールの説明によると、世界初のアルコール分0.00%のノンアルコールビールの誕生である。昨年の9月の新発売以降、ビール会社でヒット商品になったのである。
役員会議では何度か断られても諦めず、努力をし、熱い思いがこのビールを完成させたのである。
販売されたキリンフリーは、ドライブイン、ゴルフ場は勿論、医師からアルコールを禁止されていた人、妊婦さんたちなど、私のようにアルコールが全く飲めない人も、飲み会などの乾杯なども付き合えるのである。
彼女の熱い思いは、工場の担当者(新商品開発部)の職人魂までも動かし、従来のビールに近いノンアルコールビールが誕生し、各社次々とノンアルコールビールが誕生してきている。今後は、ノンアルコールビールが主流になるかも知れない。健康によいビールとして、キリンは第二弾のノンアルコールビールとして「休肝日」のキャッチフレーズで、しじみ900個分のオルニチンが含まれているノンアルコール「休む日のAlc0.00%」 という商品名で販売されている。今後は、ビールで健康維持が出来るかも知れない。
私は、これらの新開発には、飲酒運転での事故やメタボリックなどの健康面など考えられた背景から誕生した物である。
私は、これら社会貢献や「世のため、人の為になる」のコンセプトがヒット商品や販売促進に繋がると提唱している。
日本では未曾有の不景気から、個人消費が落ち込んでいると嘆いている企業は多いが、このように新アイデア、新発想、創造性を駆使した新開発、研究こそ、日本経済の救世主になると私は指摘している。
これらノンアルコールビールの新開発にも、実は人の嗅覚の刺激に関係している。喉越しやコクは実は多くは臭いが関わっている。
喉の奥にも「味蕾」という。味覚細胞が存在し、これら味蕾が喉越しとして感じ、ビール独特の細かな泡が弾けたときに口の中から鼻に抜ける臭いとしてビール独特のコク、酸味、キレ、喉越しとして味としてトータル的に感じるのである。これらをよく理解した新商品開発担当者によって従来のビールに近い味のノンアルコールが誕生したのである。是非、私も飲みたいと考えている。
これらも人の五感に関わる商品である。
私共は人の五感研究から、食べ物、飲料水、アルコール飲料も含め、人の味覚との関わり、味覚の重要性を提唱している。
日本では、小学生の半数以上に「味覚障害」が疑われており、薄味や味の違いを微妙な違いが判断できず、私は味覚が危ないと指摘し、味覚の警鐘を鳴らしながら提唱している。今後とも「食育と味覚」、「食と味覚」「飲料と味覚」の関わりについて、マスコミ等を通じ関わって参ります。
五感教育研究所、主席研究員、荒木行彦


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