王になろうとした男(1975年 映画)

2018-05-18 00:00:28 | 映画・演劇・Video
原作は1888年に出版されたキプリングによる冒険小説である。彼の作品では「ジャングルブック」が有名で、大英帝国の権力を最大限に信じて、英語圏の世界を歩き回って英国を中心とした思想を色濃く小説に反映させている。また、フリーメーソンだった。そして、1907年にはノーベル文学賞を受賞している。

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この小説の映画化は長い間の課題になっていたのだが、87年後にやっとショーン・コネリーというはまり役を見つけ実現した。

いかにも英国作家らしく、この小説は、インドで植民地搾取で稼いでいた英国人二人が手を握り、アフガニスタンの先にあるカフィリスタンという地域を乗っ取ろうという大胆な計画が実行される。具体的には、第一弾は地方の首長と手を握って政権奪取計画を行い、うまくいったところで首長を失脚させカフィリスタン全域を支配しようということだ。

そして、着々と計画は実行に入り、ウーター(OOTAH)という私の名前に似ているできの悪い首長に取り入り、住民に軍事訓練を行い、最強の兵をつくって支配地域を増やしていく。そのあたりでウーターの必要はなくなり、頭を袋につめられPOLOの玉代わりに使われることになる。

そして、カフィリスタン制覇の直前に神を操る神官と対峙することになる。もともとカフィリスタンは紀元前の時代にアレキサンダー大王が進軍してしばらく駐留していた。その史実を利用して、ショーン・コネリーはアレキサンダー大王の息子であると言い出す。そして美形の女性を無理やり妻にしようとするのだが、このあたりから嘘のほころびが出始める。

そして、結婚式の式場で、化けの皮がはがれ、あえなく夢は終わるわけだ。そして英国人二人は怒り狂ったカフィリスタンの群衆に取り囲まれてしまう。


このカリフィスタンというのは架空の国かと思っていたのだが、調べてみると実在している。アフガニスタンの北部である。

先進国のエゴ、英国流の正義。これらが強く表に出ていて、ちょっと引けてしまう映画かもしれない。


そして映画の中では、アレキサンダー大王が残した膨大な財宝の山のうち、英国人が手に入れることができたのは、大王の黄金の冠とその冠を載せるカルシウム性の台座だけだったわけだ。


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