文字通り超過した『Project EXCEED』

2020-03-11 00:00:24 | スポーツ
東京マラソンの大迫傑選手、名古屋ウイメンズの一山麻緒選手。感動的なレースであったが、なんとなく「靴が走っている」ようにも見えたのだが実業団+協賛企業がスポンサーになって作った報奨金制度の財源が無くなってしまった。今年オリンピックが予定通り開催されるとすると最後の奨励金権利者が一山選手ということで、まあ総財源の誤差範囲ということだろう。この制度の総称が『Project EXCEED』ということで、まさにEXCEED(超過)ということ。2015年に定められたルールは「靴」によって、粉砕されたということだろう。

と、思っていたが・・

規則を確認すると、報奨制は二つに分かれていて「突破褒賞金」と「挑戦奨励金」となっている。さらに挑戦奨励金は設定タイムによりAとBに分かれる。

突破褒賞金は男女ともに日本記録突破した選手が1億円と実業団チームならチームに5000万円。挑戦奨励金Aは男2時間6分59秒以内、女2時間21分59秒以内は1000万円とチームに500万円。Bは男2時間7分台、女2時間22分台で500万円とチーム250万円ということである。

そして、「靴」の叩き出した東京マラソンの記録は、日本記録突破の大迫選手に1億円、奨励金Aの二人に1000万円ずつ、奨励金Bの六人に500万円、チームに総額2000万円ということになった。このうちチーム賞は重複が二つあるのでマイナス500万円として計1億7000万円。さらに1月の大阪国際マラソンで松田選手(2度目)とチームにA賞として1500万円が贈られている。

そして、名古屋ウイメンズの結果、一山選手には1000万円、チームには500万円が渡されるということなのだが、財源不足で約800万円しか払えないので、追加の協賛金を募集ということらしい。

詳しい財源は、いつの間に消えてしまった日本実業団陸上競技連合のHPに書いてあったのだが、メモを確認すると、この財源は大きく3種類あって、実業団陸上競技連合の留保金が1.5億円。企業協賛金が累計で2億円強。アールビーズスポーツ財団が日本記録更新の時は1億円の半分の0.5億円を負担することになっているそうだ。日本新は3回なので1.5億円になる。このスポーツ財団も日本記録更新者に1億円支払うと発表しているが、両者で半分ずつということ。

つまり2015年度から2019年度の5年間の財源計は、1.5+2.0+1.5=5.0億円ということになる。

一方、支払額は、2015年度は女子(福士選手)にB賞500万円+チームに250万円の750万円。2016年度はゼロ。2017年度は設楽選手に1億円とチームに5000万円、井上選手とチームにA賞で1500万円。松田選手とチームにB賞で750万円の年度計1億7250万円。2018年度は大迫選手に1億円、服部選手とチームにB賞として750万円で計1億750万円。これに前述の2019年度賞を足すと、750+0+17250+10750+18500=4億7250万円ということになる。

財源との差は2750万円のはずだ。(上述のアールビーズスポーツ財団との契約は2007年9月に締結している。この契約がなければ1億5000万円さらに不足していたことになる。)これが残高800万円ということは、計算の合わないのは1950万円。毎年の表彰式の費用なのだろうか。今年度の表彰式は時節柄やめた方がいいし、2回も満額もらえたのに五輪に行けない女子選手と満額もらえないのに五輪に行ける女子選手が同席するというのも不都合だろうか。

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