プロペラ工場見学

2016-02-18 00:00:26 | 市民A
少し前だが、世界最高水準の技術と規模(世界シェア30%)を持つ国内のプロペラ工場を見学した。プロペラといっても飛行機ではなく超大型船を推進させるプロペラ。スクリューという言い方は、むしろ方式を指す言葉で、現物の名称としたらプロペラということになる。

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工場建屋内は撮影禁止だし、見学したことを書くことすら秘密的なので詳しくは書かないが、金属のインゴットが溶かされて、一つずつがすべて違う設計の完全注文生産品の型に流し込まれ、さらにミリ以下の精度で磨かれ、表面には乱水流がおきないように細かな模様が刻まれる。もちろん裏も表もだ。表と裏を頻繁に裏返す作業も従来はロープで数十トンの塊を空中技で行っていたが、ここでは思いもつかない方法で行っている。

船舶自体が自由設計で用途や形状が異なるため、プロペラに要請される相矛盾する複数の機能(速度、省エネ、静粛性、無振動、耐久性他)の組み合わせによって設計が変わる。

一応、概念的には流れ作業という形態だが、もちろんベルトコンベアじゃない。同時に数十個の巨大プロペラが製造されている。最終的には、完成品は入金を確認後、トレーラーで近くの港に運ばれ、船積みされる。記念写真は、トレーラーに積まれ出荷直前のプロペラの前で。

簡単にいうけど、これだけの重量物かつ巨大体積の物体を一般道で運ぶこと自体、複雑な手続きが必要だったのだが、小泉改革の時に、ある海辺の場所だけを重量物を運べるように特区指定したそうだ。つまり規制撤廃とか大げさに考えなくても、ちょっとしたこと(海岸道路数キロの重量制限をはずすだけ)で工場の海外流出が防げたわけだ。(ベトナムとフィリピンにも工場はあるそうだが)


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