夢想の研究1を読んで

2014-08-09 00:00:33 | しょうぎ
将棋パラダイス8月号から連載が始まった若島正氏による「夢想の研究」。夢想=無双ということらしく、伊藤宗看の「将棋無双」の現代的読み直し(詰め直し?)のような内容で、わかりにくい構想作をわかりやすく解説している。無双は100題あるのだが、まさか連載が100回にわたることはないだろうと思うが、若島氏のことだから心配だ。そのあと、さらに看寿の「図巧の研究」全百話が始まったり・・

実は、前から気になっているのだが、無双なり図巧なりの献上図式に含まれなかった作品のこと。この二冊の献上図式は初型の玉位置が全格配置になっていて、その81の場所以外の19も規則的な位置を与えられ、さらに1~100までの並び方にもルールがある。

その結果、本来は宗看や看寿の作品の中ではベスト100に入らないのにマスの穴埋めのために献上図式に掲載されたものもあるのではないだろうか。そうなると、逆に幻の未発表作品群というのが、あるに違いないと思うわけだ。

もちろん、それらがすべて脳の中にのみ存在していたのなら、もはや消えてしまったということだが、完成作品の複雑さを考えれば、「紙」の上に存在していたと考えるのが妥当なのだろう。そして、残されたのか、焼却されたのか。

一般的に言うと、名人になると幕府に献上していた図式百番だが、各名人は大いに苦労していたようだ。名人就位に間に合わなかった程度ではなく、弟子に作成を依頼したり、古来から家元に伝わる秘伝の図を使ったり。

仮に、伊藤家でもそういう危機感があれば、未来の名人のために無双、図巧の補欠作をリザーブしたのではないだろうか。

しかし、献上図式はこの二人のあと大橋家より二冊が献上され、その後、大橋宗英がギブアップしてしまい、伊藤家の名人達が献上することはなかった。

となると、今でも伊藤家のご末裔の方の倉庫に眠っている可能性があるのではないだろうか。


さて、7月26日出題作の解答。

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今週の問題。

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また欠点を見つけられそうな予感あり。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と手数を記していただければ、正誤判断。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (蛇塚の坂本)
2014-08-11 10:50:40
最終手○○○の○○手詰みと成りました。
邪魔の角で玉の誘導、飛成からの収束はよくある手筋。
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Unknown (おおた葉一郎)
2014-08-11 10:52:08
坂本さま
正解です。
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