古代「おにぎり」から見えること

2010-01-08 00:00:21 | あじ
onigiri最近、「おにぎり」化石(というよりも炭化した「おにぎり」)がぼちぼちと出土しているそうで、古くは縄文時代のおにぎりも発見されたようだ。詳しくは、まだ詳細にはみていないが、さわりだけ。

その前に、「おにぎり」が出土するということの、かなり身近な意味を考えると、「何らかの理由で食べられなかった」ということである。もちろん食べてしまえば1時間で溶けてなくなり、その後は畑の肥料になってしまう。

この「何らかの理由で食べられなかった」という理由を考えるだけでも色々なことがある。

実際、おにぎりが大量に出土する場所というのがあるようだ。たいていは、戦国時代に合戦の行われた場所。戦いに備え、とっておきの白米(大部分は現地の農民から強制徴用したのだろうか)を炊いて、腹ごしらえをする。梅干とか高級なものじゃなく、味噌をつけて食べたりしたはず。

その食べ残しの場合もあるだろうし、メシを握っているうちに不意打ちの急襲を受けて全滅とかあるのかもしれない。戦の前にメシを食うと、首を刎ねられた後、飯粒が出てきて見苦しいとかの武士の美学もあるが、実際の戦場では美学など役立たず。


そして、遥かに時代を遡って縄文時代から弥生時代。もともと縄文人は南方渡来系で、海岸で貝を食べながら魚を釣ったり、山に行って小動物をワナにかけたり、原野で雑穀を集めたりしていた。どこかで読んだが、縄文人は男は毎日7時間、女は5時間歩いていたというから、当時、アテネで開かれていた古代オリンピックに参加できていれば、現代のケニア人のように、男女ともにマラソンで上位入賞しただろう。

そこに、どこか日本の外からやってきた目の細い弥生系民族が、米作を持ち込んできて土地の占有とか中央集権国家の帝王になったり、大国に隷属したりしてなんとか大化の改新までやってくるわけだ。


ということで、縄文時代には、オニギリが必要なのに、まだ米作が行われていない。また弥生時代には、米作が始まったものの農耕地のそばに集落があるので、弁当の必要なし。

つまり、縄文時代や弥生時代の地層から出土すること自体、それぞれに特別の理由があるということなのだが、それがなかなかわからない、ということである。

さらに、握るには現在の日本の米のような粘り気が必要で、タイ米のような長粒米では無理だし、インドのように熱湯の中に米粒を投入してザルですくうというスパゲティ式炊き方でも握れない。今でもコンビニでの売れ筋商品であることからして、日本人も米には頑固だ。

そして、戦国時代と同様に、やはり「食べられなかったオニギリ」というのは、オニギリの所有者の身に起こった不吉な事態を想像してしまい、かなり悲しい。


ところで、最近、新種のオニギリが出現したそうだ。さっそく入手。不吉なことが起こらないうちに、あっという間に食べてしまったのだが、・・

onigiripan1
「オニギリパン」。

見かけは「おにぎり」だが、生地は紛れもないパンである。パンに海苔が貼り付いている。さらに中身は、肉まん風であるが、なんとも言えない味だ。ややケチャップ的。困ったことに中に米が入っている。

onigiripan2さすがにフランスのタイヤ会社が認定した世界一の美食国家である。(日本のタイヤ会社は美食家の政治家兄弟を育成したようだが)

売れ残りを穴を掘って埋めたりすると、二千年後の考古学者の頭を悩ませることになるだろう。


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1 コメント

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すげー (ハイパーヨーヨー)
2011-12-15 09:49:47
もっと教えてくださいwwwwwwwwww
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