「サイン盗み」

2019-04-03 00:00:12 | スポーツ
平成最後の甲子園が「サイン盗み」で盛り上がっている。千葉県から出場したチームの2塁ランナーがキャッチャーのサインを見破って、バッターに何らかのサインを出していると疑った石川県のチームの監督が怒りにまかせて大活躍したわけだ。千葉県の監督が「あなたもやっているじゃないか」と反撃したとされるのは真偽不明だが、西日本ではよく行われていて、東日本ではあまり行われていないと言う意味だったのかもしれない。

そもそも監督が審判に直接抗議できないことになっているため、伝達役の選手が間に入ることも意が伝わらない原因だろうし、難しいのは物証が残らない行為なので証明が難しい。さらに無罪の証明だって難しいのだから。往々にして水掛け論になると思われる。そうなると推定無罪ということになるだろう。推定有罪にしたらこれも問題が大きい。

どこからがサイン盗みになるのかの定義もある。2塁ランナーがキャッチャーのサインを見ること自体が問題かというと、それを禁じるのは無理がある。ランナーはキャッチャーの方を向いているのだから、見えてしまうわけだ。もっというと、短い期間だが野球をやっていたときはショートを守っていたのだが、サインで球種(スピード)がわかると、投げたボールに対してバッターが振り始めると、ボールの位置とバットの角度を見ているとボールがバットに当たる前にどこに球が飛んでいくかおおむねわかる。2塁ランナーだって同じことで、後のプレーの予測というところまで禁止はできないだろう。

一方、サインを盗むのはスポーツマンとして卑怯だ、というならピッチャーの投げるフォークボールなんて最大の卑怯みたいな球だ。まっすぐ来て、ストンと落ちる。盗塁だって英語でスティールだ。塁を盗まれないためには防御策が必要だ。要は、二塁ランナーがキャッチャーのサインを解読してバッターに教えるのがいけないというのは、単に『アメリカ人がメジャーリーグで行わないから』なのではないだろうか。それをすると、次の打席でぶつけられる。

このIT時代にサインなんてアナログを使うからいけないので、スマホで同期しておけば、画面を見るだけで次の指示が出るだろう。あるいはAIに配球を考えさせてもいい。かさ張らないために、スマートウォッチでもいい。ITが嫌いならピッチャーにはスピーカー付きのヘルメットを与えてもいいだろう。家に盗賊が入らないように電子ロックを使うようなものだ。

ただ、もっと鳥瞰的に考えると、教員資格のないお雇い監督は成績がすべての評価であることや、高校野球で活躍することだけが学校の使命のような高校の存在とか野球強豪県と少年犯罪率の奇妙な正の相関(という説あり)などを考えれば、・・・

勝ち抜き高校野球そのものを廃止してしまえばいい!ということさえも言えるだろう。


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