朝日生命体操クラブで金メダリストの話を聞く

2017-03-02 00:00:48 | 市民A
メセナという概念で企業が活動をすることが多かった時代がある。しかし、企業の収益が下がったり、様々な理由で企業合併が行われたりした結果、純粋な形でのメセナではなく、企業イメージの向上、つまり売上を増やすためのPR活動に限りなく近づいている。マラソンや駅伝で所属会社のゼッケンをつけて、後のことは考えずにテレビに映る先頭集団の中で何回カメラに映るかを勝負したりする。

そういうことからいえば、先週、内部公開していただいた朝日生命の体操クラブはほぼ純粋な形でのメセナ活動だろう。サッカーや野球と異なり、きわめて社会露出が少ない。たとえば内村航平選手は今まではコナミ所属(今回、プロとして独立)だが学生の頃は朝日体操クラブに所属していたのだが、知る人は少ないだろう。

そういった活動の実態を説明していただいたのが、総監督の塚原光男氏。ミュンヘン五輪の金メダリスト。跳馬の「ツカハラ跳び」とか鉄棒の「月面宙返り(ムーンサルト)」の実演者だ。発表後、特許を取らなかったせいで、今では高校女子が塚原氏の目の前で軽々と成功させていた。

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体育館は、体操用としては日本最大ということで、いかに朝日生命が力を入れているかがわかる。こども用の体操教室も併設されているが、体操は好きな子と嫌いな子がはっきりわかれ、要するにいかにも危険に見える体操が好きな子だけが、一流選手になるまでの10年間続けることができるそうだ。

リオ五輪女子チームの一員だった杉原愛子さんが段違い平行棒の練習中だったが、重力のある地球上ではできるとは思えない技を練習中だった。女子が大変だったのはリオで団体4位だったため、東京ではどうしてもメダルが目標になるということらしい。米国、ロシア、韓国、中国は国家ぐるみの強化体制だが、日本では企業が行うため、限界があるそうだ。ゼロ金利政策で最も苦境に陥っているのは生保業界ではないかとの声もあるが、朝日生命にはなんとか支援をお願いしたい。

最近、知った謎で、1964年の東京五輪の時には東京体育館で体操競技が行われたのに、なぜ今回はそこではなく有明の仮設体育館なのかということを聞いたのだが、塚原総監督は質問に対して、

1. 東京には体育館が少なすぎて、東京体育館は卓球で使うことになっている。
2. 五輪のルールの中で、あえて仮設競技場を作って、とりこわして緑地にする数値目標があり、それが体操競技になってしまった。
3. ただし、仮設といっても10年は壊さなくていいらしく、金メダルがとれれば、レガシーという話が出てくるのではないかと関係者は存続に期待している。

とのことだそうだ。

ところで、高校女子が跳馬を跳ぶため近くを走っていたのだが、距離25mを全力で走るときの足音は、馬のようにしか聞こえなかった。


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