レベッカ(1940年 映画)

2024-05-29 00:00:25 | 映画・演劇・Video
ヒッチコック映画の一つ『レベッカ(1940年)』を観る。ヒッチコック監督が英国からアメリカに主戦場を変えた第一作になる。2年前に刊行された同名の小説の映画化ということで、原作に忠実に作られていて、監督の腕を見せるというタイプの仕事ではなかったようだが、それでも評価は高かった。

あらすじ
ヴァン・ホッパー夫人の付き人としてモンテカルロのホテルにやってきた「わたし」は、イギリスの大金持ちの貴族であるマキシムと出会い、2人は恋に落ちる。マキシムは1年前にヨット事故で前妻レベッカを亡くしていたのだが、彼女はマキシムの後妻として、コーンウォール地方マのンダレイにある彼の大邸宅へ行く決意をする。

美しい自然に恵まれ、多くの使用人がいる邸宅の女主人として、控えめながらやっていこうとする彼女だったが、人に使われたことはあっても使ったことのない「わたし」には、戸惑うことばかりだった。以前からの使用人、特にレベッカ付きの使用人で、今なお邸宅を取り仕切るダンヴァース夫人にはなかなか受け入れてもらえない。

屋敷の調度は前妻レベッカの趣味で整えられ、新参の「わたし」は内心不満に思いながらも、その中で暮らしていたが、少しずつ「わたし」は前妻レベッカの、見えない影に精神的に追いつめられていく。

中盤になると、レベッカやダンヴァース夫人の関係者たちが現れ、複雑な人間関係になっていく。さらに、後半では前妻レベッカの事故に関してマキシムの隠された過去やマキシムですら知らなかったレベッカの一面が次々と明らかになっていく。

最初はラブ・コメディのようで、ミステリアスになったりオカルト的になったり、警察小説になった末、ラブコメディとして落ち着くことになるのだが、最後は大邸宅が放火で炎上し、死者が出たストーリーがコメディとなるのだろうかと少し考え込む。

ヨット遭難の筋書きを思い出すと、レベッカが一人で乗っていたヨットが暴風で流され、数か月後に発見され、その遺体を夫のマキシムが妻のレベッカと確認している。ところが実際には妻を殺したのはマキシムでヨットに穴を開けたり船底の水抜きバルブを開き沈没させ、自分はゴムボートで逃げ出している。その沈没船がひょんなことから発見され、船内からレベッカの遺体が発見された。実際には悪妻で浪費家のレベッカは末期がんと宣告され、自殺する動機があったということになり、マキシムに無罪が転がり込むのだが。最初のヨットで見つかったご遺体は誰だったのだろうか。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿