横浜の遺跡展

2012-01-08 00:00:01 | 美術館・博物館・工芸品
横浜市歴史博物館で開催中(~1/9)の横浜の遺跡展。市指定文化財である。

iseki


ただし、中世の文書類についていうと、横浜にはたいしたものはない。東国の歴史の中心は鎌倉である。その後、江戸が日本の中心になり、幕末に漁村から突然国際都市に格上げになったのが、横浜の歴史の実態。

むしろ、歴史博物館のある横浜市北部が有名なのは、弥生時代後期の集落や住居の跡が多数残っていることだろう。この弥生時代後期というのは、中国の歴史書でも「倭国大乱」と記載されているとおり、知られざる戦国時代であったと考えられている。

このあたりでは東京湾岸系の弥生式土器と北部の朝光寺原系土器が、まったく重ならずに存在することから二大勢力があって、その中で双方ともにいくつかの集落に分かれて住んでいたことがわかっている。そういう小集落が500年近く存在したらしい。考えてみれば当時の寿命って30歳くらいだっただろうから、同じ集落内で婚姻が行われ、土器の種類もグループ毎に異なって受け継がれている。

とても考えにくい社会だったのだろうか。

そして、どうも東京湾岸系の方が生き残ったと考えられている。戦争があったのか、あるいは何らかの原因で自滅したのだろうか。あまりはっきりさせない方がいいのかもしれない。


実は、同時開催の「平成23年度 横浜市立学校総合文化祭」の中学校社会科作品展がすばらしかった。夏休みの宿題らしく、「四国お城回り」というようなのもあるし、「祖父に聞いた戦争体験」とか「近隣のラーメン店の経営を取材」というのもあった。ラーメン店の利益の秘密を明らかにしようということだ。

中学生、おそろし。