カンパニオンさま

2007-02-09 00:00:48 | 市民A
最近、通勤電車が果てしなく遅れることが多い。この件は、別途考えることとして、先日の朝、車両故障のため30分遅れになり、車内は満員になった。そうなると、やたらと体を動かすと冤罪率50%と言われる痴漢の容疑をかけられないように、眼と首だけを動かすことになる。向かい側のドアの横に、ある予備校の広告が掲示されている。以前は、中学受験の日能研がよく出題していたのだが、大学入試問題だ。

広告との間には多くの老若男女の頭があって、ほんの一部だけしか読めないが、東京女子大の英語の入試問題である。全文の中の一部を和訳しなければならない(赤で表示)。

I enjoy my own company,and feel quite happy about going to the cinema or the theatre alone.

ただし、「私は自分の会社が楽しい」という訳ではない(おおた註:但し書きの中の「訳」という字は「わけ」と読む訳ではない)。 と、わざわざ注意書きが書かれている。まあ、それでは中学2年の問題だ。


ところが、電車の中でこの広告は、横書き、3~4行で書かれていて、一見するだけでは、一番上の行の「私は会社が楽しい」までしか読めない。時々、電車がガックンと揺れると、間にある頭が左右に揺れ、2行目から下の単語が断片的に見えるわけだ。happyとかcinemaとかだ。

そのうち「theatre」という単語が見えると、「theater」とは文末のreの順番が違うことから、米国語ではなく英国語ではないかと推測できる。会社をコーポレーションと言う可能性を考えておかなければならない。やっかいなコトバだ。日本の近くでは、シンガポールが英国語圏だ。ニュートン・サーカスに空中ブランコを見に行くと、代わりに焼き鳥を屋台で食べなければいけなくなる。マクドナルドで”Take Away”と書いてあるからといって、慌てて走って逃げると無銭飲食で逮捕される。植物園でシンビジウムの花を折ると1000ドル払わなければならない(コトバとは無関係か)。

しかし、英語というのも、一つ一つの単語をバラバラに認識すると、意味が苦しい。確か、「enjoy」には利益を得るとかいう意味があったような気がする。つまり、「私は自分の会社を食いものにする」という意味かな。それでは、cinemaとかtheatreとかと、どんな関係になるのだろうか。確かシェークスピアは劇場オーナーになったのだから、「会社を食いものして、劇場や映画館を手に入れて独り占めにした」ということかな。「マイカル」とか「西武」とか頭に浮かぶのだが、いかにも女子大学の入試問題にふさわしくないではないか。金をつぎこむならホストクラブだろう。

そして、ターミナル駅に到着すると、どっと人間が電車から大量放出され、とりあえず全文を一瞬だけ眼にすることができたのだが、どうしても「enjoy=食いもの」というイメージが出来上がって、しっくりいかない。帰宅後、出題している城南予備校のホームページをさがすと、解答と解説が書かれていた。

私は一人でいるのが楽しい」  と、いうことだそうだ。・・難問・・

解説によれば、companyの後にある「,」がカギで、それ以下の内容は、前文の「enjoy my own company」を具体的に説明している、ということだ。companyというのが同伴という意味で”my own company”で自分が同伴者=一人でということだ。 要するにcompanyというのは、箱根湯本温泉のコンパニオンさんと同じ意味ということだ。あるいは、銀座のチーママと同伴出勤という単語も思いつく。

ふと思い出すのは、以前、西荻窪の大学構内に男性が足を踏み入れるためには、同女子大の学生の同伴が必要だったような情報があったのだが、今はどうなのだろうか。「この人、カンパニーです」とか言うのだろうか。

ところで、わからなかった腹いせに、この原文を各種ポータルサイトの翻訳機能にかけてみた。

google:私は私の自身の会社を楽しみ、単独で映画館か劇場へ行くことについてかなり幸せに感じる。×

excite:私は、私自身の会社を楽しんで、単独で映画を見に行くか、劇場に関してかなり幸福であると感じます。×

yahoo!:私は、単独で映画館または劇場に行くことについて、全く幸せな私自身のcompany,and感じを楽しみます。翻訳拒否症。

infoseek:なぜか、yahoo!と「まったく同じ」。どちらが盗作か・・

 livedoor:Iは自分の会社を楽しみ、映画または劇場に単独で行くことに全く満足しているように感じます。Iがそのままだ。前社長のトラウマ?