吉報と悲報・郷田九段

2007-02-03 00:00:16 | しょうぎ
f885b837.jpg名人戦挑戦者リーグA級8回戦が2月1日、全5局一斉に対局が組まれ、郷田九段が1敗を守り、残る最終第9回戦を待たず2勝差で森内名人への挑戦者に決定した。

そして、勝った郷田九段には、父親の死という悲報が待っていたとのことである。

郷田九段、名人戦初挑戦決定の日に父死去(MAINICHI 2月2日)

 大阪・関西将棋会館で1日行われた第65期名人戦A級順位戦(毎日新聞社主催)の8回戦で勝ち、森内俊之名人(36)への挑戦権を獲得した郷田真隆九段(35)の父克己(かつみ)さんが同日死去した。71歳だった。葬儀の日取りなどは未定。対局終了後、訃報(ふほう)を知った郷田九段は「将棋が好きだったおやじのためにも、名人戦でがんばりたい」と気丈に語った。


今年度のリーグ戦では、第6局目の郷田-久保戦で、郷田九段の時間切れ騒動があり、やや、味の悪い展開になっている。最終戦で敗れて2位と1勝差になると、後々やりにくい展開も考えられるわけだから、最後も頑張るしかないだろう。

なお、将棋連盟では、対局直前に自分の両親が亡くなった場合のみ、忌引きによる対局延期を定めていて、配偶者の両親の場合は適用除外ということで、制度上の問題点とされているそうだ。


f885b837.jpg前々週の詰将棋の解答。

▲1八王 △2九角 ▲同飛 △同香成 ▲3八角 △5八玉 ▲4七角 △6七玉 ▲6八銀右 △七八玉▲ 6九角打まで11手詰

解説:人に嫌われる種類の詰将棋としては、「入玉」「合駒選択」「双玉」というのが相場だが、それを全部加えて、さらに、初手逆王手という花を添えた。初手に逆王手を加えると、逆に易しい方向に働くと思うが、適度に易しい詰将棋の方が好きなのだ。

初手は、▲1八王の一手であることは、しばらく見ているとわかる。逆方向へのバンカーショットみたいな手。△5八玉は▲7六角と出口封鎖で飛車回り。つまり、合駒選択。歩、香、桂合は反則。数少ない将棋のルールのうちの一つである「行き所のない場所に駒を打ってはいけない」が適用される。次に、飛、金合だが、▲同飛△同香成のあと、取った合駒を5九から打って詰む。となると、消去法で角合となる。銀合で詰まないと、悩み続けた方は、盤の上に駒を並べてみれば、悩みが解消するはずだ。

そして、5手目の▲3八角が限定打となっている。△同玉は▲2七角まで。以下、10手目までウナギをつかみ損なうような追い方をして、最後に大海に逃がす寸前に▲6九角とシッポを掴む。




f885b837.jpg今週の問題は、やさしい双玉問題。金銀が登場しない詰将棋を双玉にすると、極めてパズル的になってしまうのだが、現物の「金銀財宝の類」は大好きだ。さらにプラチナやパラジウムも好物である。
大ヒントは、「高額物件入手の好機は一瞬だけ!」。
わかった!と思われた方は、コメント欄に最終手と手数を記していただければ、正誤判断。