中央青山は追い詰められる

2005-09-15 22:18:33 | MBAの意見
9月13日、カネボウの粉飾決算を実行したとして、証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で中央青山監査法人の4名を逮捕したと報じられた。よく考えると、実際に粉飾決算を見抜けなかったという犯罪ではなく、粉飾決算に積極的に加担したという容疑がかけられていて、実際は、かなり中央青山自体、やばい。

そして、私が4月15日に書いた、エントリ、”三角形の「呪い」”に集中的なアクセスがあるようだ。予言があたったからだ。三角形のビルに入ったカネボウが4月13日に公表した約2000億円、5年間の粉飾決算について、”そして監査法人は何を見ていたのだろうか。監査法人もレッドカードものだ。”と書いていた。さらに、2000億円の予想粉飾手口を書いておいたのだが、そのいくつかは当たっている。

ただし、粉飾にもそれなりのルールがあり、子会社に赤字を飛ばしておいてから、第三者の増資で連結対象からはずす、とか子会社と決算期をずらして連結対象会社内での取引価格で調整するとか、無理やり在庫を販売先に押し付ける(あるいは期末月を過ぎたら買い戻す)、といった既に報道された部分までは、まだ悪質とは言えないし、廃棄処分にする在庫を売上げに計上し、見てみない振りをするというだけでは、まだ逮捕されるにいたらないように思うのだが、粉飾の過程で、一体、何があったのだろうか。もっと奇抜な粉飾手口があったのだろうか?今後のために鑑賞することになる。

そして中央青山にはさらに次の試練が待ち受けている。山一證券、ヤオハンの時の公認会計士の処分だ。つまり、検察には捕まらなかったものの、粉飾決算を見抜けず、株券を紙くずにした責任ということだ。その他、足利銀行もUFJ銀行も中央青山だということになのだから、一体、監査制度って何だ!ということになる。

実は、ここだけの話だが、この中央と青山が合併してできた中央青山だが、企業は便利に使っていた。なにしろ察しがいい監査法人なので、法律の許す限りの決算を作ってくれていたのだが、失敗したヤオハン・山一・足銀・UFJ・カネボウなどは、もう助けようがなかったのだろう。

今は、企業のHPやEDINETで監査報告書のページを見れば、監査法人名はすぐわかる。長期で株をホールドしようと思っている方は、すぐに監査法人名をチェックだ。ちなみに巨額な無形固定資産と営業権を抱えるソニーも中央青山だ。