奇妙な鳥の巣は、・・

2005-02-09 21:21:30 | 市民A
60a9cafc.jpg毎日、歩いている駅までの街路樹。落葉樹なもので、冬の間は枝だけになっているのだが、妙な鳥の巣が現れた。大きさは10センチほどだ。どうも素材の大部分は、天然物ではなく、クッションの中の中綿とか人工繊維のように見える。そして、素材が小枝とかでないために色も目立つ。高さは地上から3メートル程度と低く、カラスだけではなく、人間や猫にとっても手が届くところにある。安全性という観点からいえば失格だが、自然界ではそういうちょっと頭の弱い個体は淘汰されて、子孫を残せないことになっている。

ところで、今年は野鳥が多い。自宅は港北ニュータウンの端の方で近くには小規模な森林は何ヶ所か残るが、それは去年も同じこと。野鳥の種類については詳しくないのだが、それでも種類の違いはわかる。節分で蒔いた豆や、いい加減にふりかけた芝生のタネを食べにくる小鳥の中には、ウグイスまでいる。スズメは、飛び立つときにはハリヤー戦闘機のように地上から上に向かって飛び立つのに対して、ウグイスは横っ飛びで飛んでいく。その他にも、尾が長い鳥や、太った鳥、くちばしの長い鳥などカラス、スズメ、ハトの三大都会鳥の他に5種類はみかける。

なぜ、今年、野鳥が多いか二つの理由が思いつく。一つは暖冬だった影響で、小虫が多いのだろう。それと雑穀なども多いかもしれない。そして、もう一つの理由は、カラスが減ったことかもしれない。ゴミ置き場の管理が厳重になり、ネットや金網付きになってきた。カラスは野鳥の大敵であるわけだから、カラスが減れば野鳥が増える。

しかし、嫌われ者のカラスだが、地方公共団体のゴミの回収システムが完全でなかった頃は、ゴミ回収の手伝いをしていたわけだ。都内でも新宿御苑に居を構え、銀座や新宿に出張して町の清掃員をやっていたわけだ(頭だけ黒いカラスも臨時清掃員だったのだが)。そして、カラスは疲れると日比谷公園の木の上で休み、日比谷から虎ノ門方面に斜めにショートカットして歩こうというビジネスマンの頭を狙っては、落し物をして遊んでいたわけだ。

実は、野鳥がたくさん現れた理由として、もう一つの可能性がある。地震災害の前の小動物の異常行動という線がある。これだけは絶対に当って欲しくない。

話を戻すと、この奇妙な巣だが、使用後なのか使用中なのか、あるいは使用前なのか下からみてもわからない。実は、撮影した数日後、この街路樹の木々が大規模に枝払いされたことに気付いた。近くの電線類に引っかからないように枝ごと鋸で落とされていた。

そして、胸騒ぎを感じながら、この巣のあった樹木に近づくと、なんと、この一本の立木だけはまったく剪定されずに枝が伸び放題のままだ。現場作業員の方に、ちょっとした配慮があったのだろう。しかし、周囲の街路樹はばっちり枝落としをされているため、元々目立つこの巣は、さらに目立つようになってしまったのだ。