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原理をおさらいすると、ポイントが閉じていると電気はコイルの1次線(ピンク)を通ってアースされています。
ポイントが開いた瞬間に逆起電力が働き、1次線に数百ボルトの電流が発生します。
発生した1次電圧を巻線比に従った2次電圧(15000ボルトくらい)の電流がハイテンションコードに導かれてプラグに火を飛ばします。
こうして考えてみると、2次電流は1次電流に影響を受け、1次電流はポイントを通過するので接点の状態に影響を受ける事が分ります。
カムはエンジン回転数の半分のスピードですが、カム山は2つありますのでクランク1回転に1回作動します。
今まで快調に動いていたハーレーが突然不調になったり始動しなくなったりすると、パニックに襲われ、どうしたら分らなくなったりするものですが、構造を良く憶えれば対処方法も出てくるかもしれません。
このように簡単ですから、大きく分けると・・・・・。
①バッテリーから電気がきているか。
意外と見落とすのがこのパターンです。
プラグを外して、空キックで火を飛ばしてOKだと思うと、そうでもなかったりしますね。
テストで大気圧で火が飛ぶといっても実際の燃焼室の中は8kg/c㎡という高圧ですから、火が弱くなってしまいます。
赤い火ではなく、青白い火が望ましいのです。
バッテリーが弱っていてもコイルの発生する高圧電流は弱くなってしまいます。
②ポイント、コンデンサーの不良。
ポイント面が焼損したり、ギャップが適切でないとコイルの発生電圧に影響します。
コンデンサーはポイントの断続時の火花を吸収して、ポイントの焼損を防ぎ、火花によるコイルに発生する逆起電力の低下を防ぎます。
③コイルとポイントの間のリード線
ハーレーではこのリード線がマフラーの付近を通りますので、注意する必要があります。
④コイルの不良
コイルに不良にも、内部の断線と高圧回路のリークが考えられます。
10月23日投稿の記事にポイントの調整を掲載してありますが、分かりにくいところを補足いたします。
写真はポイントカムです。一見山が4つあるように見えますが、矢印の示すのがカム山です
幅が広いところと、その反対側の尖った山ですね。ポイントギャップを調整するには1番広がったところですから、幅が広い山にポイントヒール(カムと接している部分)が乗ったときに調整するほうが間違いありません。
*何故、山の形状が違うのか?
尖った山がフロントシリンダー側であると書きましたが、ハーレーは45度ずれた不等間隔に燃焼行程がある2気筒ですので、ポイントを開くタイミングも当然不等間隔です。
カム山が2つとも同じ形状であると、ポイントが閉じている時間が異なってしまいますので、これを同一にするためにカムの形状が異なっています。
それでは何故ポイントが閉じている時間を同一にする必要があるかというと・・・・。
アイドリングではたいした問題ではありませんが、例えば5000rpmでは1秒間に83回転もします。
逆にいうと1回転の所要時間は12/1000秒という短い時間で、ポイントが閉じている時間は更にその3分の2くらいの短い時間になってしまいます。
電気の流れる速度は光と同じですけれど、コイルの1次線に電気を充分に蓄えるのには(短いのですけれど)時間が掛かってしまうのです。前述のようにプラグに飛ぶスパークの大きさは1次電流に影響を受けるので、2つのプラグに飛ぶスパークの大きさを揃えるために、1次電流を流す時間を同一にする必要があるということです。
余談
ポイントが閉じているカムの角度をドエル角と言います。
ポイントを固定しているのは1本のネジですが、ご覧のように長穴になっていてギャップ調整できるようになっています。
交換作業自体は2本のネジでポイントとコンデンサーを取り替えるだけですから簡単です。
ギャップが変化するとタイミングも変化してしまいますので、まずギャップを調整してから、タイミングの調整に取り掛からなければなりません。
接点面に油分がついていると、1次電流が流れにくかったり、焼損することもありますので、充分に脱脂する必要があります。
ついでにコイルの抵抗値の基準値です。
2次線は写真のように11kΩ前後です。
1次線はポイント式の場合は5Ω前後、トランジスター式は3オームが一般的です。
コイルの故障は抵抗値が基準値であっても高圧電流がリークしていることもあるので、正常であるとは判断できない場合がありますから、実際にエンジンを運転して判断しなければならない事があります。
ユーザー自身のメンテナンスは時には多大な困難を伴いますが、それだけに、快調になったときの達成感は大きいと思います。このブログがどれだけ参考になるか分りませんが、「手取り足取り」より基本的な事を知っておいたほうが「後々イイのじゃないかな?」という思いであります。
今やバッテリーはMFのほうが良いでしょう。面倒くさい液の補充や液洩れでフレームの塗装の傷みなどからも開放されます。
私の車両が、エボ・SU・ポイントという仕様で、ポイント(コンデンサ?)の不良と調整不具合で火が飛ばなかったようです。
ピストンさんのブログにしたがい1から挑戦してみましたらなんとかエンジンが息を吹き返しました。
ホントにありがとうございます。
若干残る不安というのがバッテリーです。今積んでいるものが開放型のモノでセルを回しても、力不足のためか素直にクランクが回ってくれません。やはりMFの方が良いのでしょうか?それともどこかで電力がリークしているのでしょうか?ちなみに今回は自動車用の大型のバッテリーでエンジンをかけました。
現在展開中の記事を読んでいただければご理解頂けると思いますが、ヘミヘッドは高回転でパワーを出すエンジンではないので、アバウトでもOKとういことで・・・。
ご声援ありがとうございます。
古い記事からすいません。
ポイントカムの形状がリアの点火タイミングに非常に影響するんですね。フロントが燃焼してから305度クランクが回転してリアが燃焼。 この不等間隔燃焼である45度の差をあの玉子型のカムが担っているのにこの部品の精度が問題にならないというのはやはりポイント点火のアバウトさからでしょうか?
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