画像はウイキペディアより転載。
星型エンジンがタンクエンブレムのモチーフとして使われる例はあまりないと思う。
ちなみにタイトルは岡部いさく先生の著書をパロってしまいました。
詳細は不明だが1920年初頭頃と思われるType D ? 500 CMC Grand Sport 5 hp。
第1次世界大戦が終わった後に、航空機エンジンのみならずバイクを作り出したのはBMWと同じような事情だね。
今はなき交通博物館に展示してあったという、瓦斯電がライセンス生産したル・ローン9C。ローンはもちろんノーム エ ローヌ(Gnome et Rhône)。
これはロータリーエンジンだが、クランクケースとシリンダーヘッドをつなぐ銅製みたいなパイプ(マニホールド?)があるのは最終型か。
ここで気づいていただきたいのは、タンクエンブレムのプッシュロッドが1本ずつなのは間違いではないということ。
ノームのロータリーエンジンの特徴の一つはプッシュロッド一本。
アニメを見るにはコチラ。
このサイトは様々なエンジンの動きをアニメで見ることができます。
画像はttp://www.enginehistory.org/Gnome%20Monosoupape.pdfより転載
プッシュロッドが一本で済む理由は、吸気を2ストエンジンのようにクランクケース内部を通じて行うので、ピストン頂部に気圧の差で開くポペットバルブを備えているから。
しかも芸が細かいのは、遠心力でバルブが開かないようにカウンターウエイトもある。
そして面白いのは、潤滑ができないのでバルブのロッカーアーム周辺はローラーを備えているが、pdfの解説にもプッシュロッドと記載してあるけれど動きから言えばプルロッドだ。
気になる潤滑方法は、ガソリンとオイルのタンクにエアポンプにより加圧して、コントロールバルブを介しガソリンに混合潤滑している。
この図をみれば、キャブレターへの疑問も解くかと思う。
ピストンについたバルブはやはりトラブルが多かったようで、後の1912年には改良されるのだが、これもまた興味深いが・・・・・。
ところでタイトルの疑問になるが、星型エンジンを始めて採用した飛行機はまだ特定できない。しかし、ライト兄弟が初飛行に成功したのは1903年だから、飛行機が存在する前にFelix Milletが1987年に作られたので、星型エンジンは飛行機より先にバイクに使われたと言う結論になる。
私も「世界初のロータリ搭載飛行機は?」と探し続けておりますが、未だ答えは出ておりません。
英仏海峡横断で有名なブレリオⅩⅠが海峡横断成功した直後、ブレリオ自身が「ノームのロータリーエンジンを手に入れなければ」と発言したと言われています。この頃、まだノーム社とローヌ社は合併前のようです。
当時、ロータリーエンジンを製作していた会社としてアンザニ社があるようで、ブレリオⅩⅠの改良型にはアンザニのロータリーを装備したタイプもあるようです。ブレリオ以前の公式に飛行記録が残っている機体はボクサーや直列を装備しており、ロータリーを見つけることができませんでした。
その3年後にはドペルデュサンがロータリー搭載のレーサーを飛ばしていますので、その間の出来事なのかもしれません。
オイルが使い捨てな分、オイル搭載のウェイトが響いて、航続距離実験機などではほとんど使われなかったようです。
飛行機以前の飛行船のエンジンとして使われた可能性も探しておりますが、未だ発見できておりません。
前回の記事のMegolaは小学生のころ切手のモチーフになっているのを見て、「スタートでエンストしないのかなあ?」と悩んだ記憶があります。未だに良く解っていませんが、ペダルでスタートしてから繋ぐんでしょうか?それともフライホイールとしての大きな重量で無理やりスタートするのでしょうか?
フランスはバイクだけ見ていると、今は大きなメーカーはありませんし、農業国というイメージもありますが、戦闘機やミサイルは有名だし、ルノーのF1エンジンは先進的でした。ノームのエンジンも当時では最先端だったと思います。
Megolaは詳しいことはネットにも出てきません。