各種動力源を体系的に比較し、静か(音も静かだし、電波ノイズ源となるスパークプラグがない)で様々な熱源(ランプ用オイルなど、安価でどこでも入手できるもの)を使えるということで、スターリングエンジンが選ばれた。彼らはまた、蒸気機関や内燃機関とは異なり、スターリングエンジンは何年も改良されていないため、最新の素材とノウハウを応用すれば劇的に改良できると考えた。(Wikipedia)
彼らというのは電器メーカーのフィリップスで、なんとラジオの拡販に用いようとしたのだとか。第2次大戦をはさんで開発は続けられ、1951年には生産が開始され150台が生産されたという。
コストが高そうなのは動画をみても分かるが、当初のラジオ拡販という目的は、1950年代半ばにトランジスタラジオが発明され電池でまかなうことで発電機が不要になり、目的自体が消えてしまったわけだが、それが51年で生産中止になった理由というのは年代がチョッと合わない気がする。それともトランジスタラジオの出現がすでに業界内で明らかだったのだろうか。
スターリングエンジンは1816年にロバート・スターリングが特許出願し、18年には実働したという、内燃エンジンのはるか前にできあがっていたわけだが、数奇な運命で現れては消えの繰り返しだった。
家庭用のコージェネシステムは日本でも産総研が開発(ttp://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2006/pr20060802/pr20060802.html)しているものの、燃料電池や内燃エンジン、それに深夜電力に押されているのか、今ひとつ普及しないが、むしろ模型のキットや動画のような自作スターリングエンジンに人気があるように見える。