goo blog サービス終了のお知らせ 

ピストンエンジンは永遠か!な?

バイクを中心に話題を紹介します

乾式クラッチ

2006年09月20日 | クラッチ

人気blogランキングへ  昨日の”結婚できない男”はご覧になりましたか?阿部寛は最高ですね。ウエブ上でもドッヂボールではなくキャッチボールをしたいものです。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

S4_61

クラッチのハンドレバー(リリースレバーと区別して)は重くても軽くても、一杯に握って約18mmしかワイヤーを引く事ができません。

S1_93

レリーズレバーとレリーズフィンガーの関係はこうなっていて、160:25=6.4:1の割合で力を倍増する引き換えにストロークが小さくなります。それぞれの長さの比率をレバー比とも言います。

S10_10

つまり、ハンドレバーの先端で100mmのストロークがあっても、プッシュロッドは約2.8mmしか動きません(遊びがないとして)。

S91_1

図は'84年前期までの乾式クラッチのおおまかな構造です。エンジンからの回転力はプライマリーチェーンスプロケットクラッチシェルドライブディスクフリクションディスクスタッドクラッチハブメインシャフトと順次伝わっていきます。その後の湿式クラッチはプライマリーカバー内がオイルバスになり、溜まったオイルがプライマリーチェーンを潤滑していて、クラッチスプリングはコイルからダイアフラムに変っています。

クラッチシェルハブはお互いに独立して回転できるように、ローラーが設けてあります。

各部の名称はメーカーのパーツカタログに準じていますが、リリーシングディスクがプレッシャープレートと呼ぶべきのような気がいたします。

スプリングの圧力がリリーシングディスクを介して”フリクションディスク””ドライブディスク”を押し付け、その摩擦力が回転を伝える様子が分かると思います。

S92_1

プッシュロッドがリリースフィンガーに押されて赤矢印の方向に動くと、アジャスティングスクリューを介してリリーシングディスクを動かす事により、”フリクションディスク””ドライブディスク”との圧力はなくなり”クラッチが切れる”状態になります。

この時のクラッチスプリングの反発力が、途中のフリクションと合わせてハンドレバーの重さとして手に伝わってきます。

クラッチの切れの悪さに悩むかたも少なからずいらっしゃいますが、一つの原因として、左図の緑矢印のようにクラッチシェルも動いてしまい、”フリクションディスク”と”ドライブディスク”の間の隙間が充分にできないことがあります。

この場合の対策として、右図のような”リテーナー”が社外品として市販されていますが、これ一つで全て解決というわけにもまいりません。

特にプライマリーチェーンをベルトに変更してクラッチを純正そのまま使う場合には、クラッチ切れ不良がよく発生するので、「チェーンがクラッチシェルの動きを抑制する」という説がありますが、ワタシも解明には至っておりません。

続きます。

人気blogランキングへ  今日はお陰さまでトップを一度も譲ることなく、天気のようにスカッと行きそうです。


クラッチスラストベアリング②

2006年09月19日 | クラッチ

人気blogランキングへ  今日は時々曇りましたが、久々の気持ち良い晴れ間を見ることができました。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

S10_9

クラッチはハンドレバーを握ると、ワイヤーが動きレリーズレバーを引いて、その動きがレリーズフィンガーに伝わり、矢印の方向にプッシュロッドを押します。プッシュロッドはその先のクラッチ本体のプレッシャープレートを押して、ドライブプレートとフリクションプレートに掛かる圧力を除き、クラッチを切ることができます。

プッシュロッドはプレッシャープレートと共に回転しているので、レリーズフィンガーに回転力を伝えないためにスラストベアリングが必要となっています。

この風景を見ることが可能になったのは超能力や透視カメラを使ったわけではなく、以前居たHメカニックがへまをしてクラッチを外す際に、プーラーでプッシュロッドを押してカバーを突き破ってしまいました。その壊れたカバーを保存していたので、今回の”カットモデル”に役に立ったというわけです。シアワセは何処に転がっているか分からないものです。

S7_17

この写真は前回も使いましたが、赤矢印の穴が丸くなってしまったオイルスリンガーをチョット説明いたしましょう。青矢印は5速ミッションとも共通のニードルベアリングです。5速ミッションではそれほど壊れないので、部品の選定が間違っているとも思えませんが、何故か4速ミッションでは良く壊れます。

S3_70

オイルスリンガーはプッシュロッドと一緒に回る必要があるため、矢印のような形状になっています。このスリンガーの変な形状は、周りのギザギザでミッションオイルを掻き揚げて、テーパーの部分でベアリングにオイルを流し込むようになっています。

S2_82

つまり、オイルレベルとベアリングの位置関係は微妙であり、常にオイルが回っていないとあの小さなベアリングは壊れてしまうでしょう。かといってオイルを規定以上に入れると、ロクなシールがないキックシャフトからオイルが洩れるのも想像できます。

S11_23

オイルスリンガーの重要な役目がお分かりでしょうか?

実は壊れる原因は調整の方法にもあることが判明いたしました。

このカットモデルのお陰ですが、プッシュロッドを矢印の方向に押しても写真の位置で止まってしまいます。ココでいくつかの不具合が生じます。

  • 黄色矢印はオイルスリンガーとレリーズフィンガーが接触してプッシュロッドを押さえているので、スリンガーが動かないのに無理に回されプッシュロッドやスリンガーが壊れる。
  • この状態でワイヤー側で遊びをとると、プレッシャープレートの側では突っ張っているのに、ハンドレバーには遊びがあり、”クラッチのキレが悪く、滑る”という最悪の状況に・・・。
  • スリンガーが回転しないとベアリングに給油されないので、ベアリングが壊れフィンガーまで壊れる。

S5_46

各位置関係を見ると分かりやすいです。赤矢印はスリンガーとフィンガーが接触しています。

S12_21

ベアリングが壊れ遊びが急に大きくなって調整だけで乗り続けると、このようにフィンガーの先端が磨耗してしまいます。

18

プッシュロッドもこのように・・・・。

S21_17

レリーズレバーの位置はマニュアルにも記載されています。①はラチェットトップミッションで②はロータリートップです。

S9_12

図の数値を守ると大体このような位置ではないでしょうか。

マニュアルの数値には、このような重要な事柄も含まれています。4速ミッションのクラッチは車齢も経っているのもあり、更に適切なメンテナンスもされていないと不具合になることが多いので、アチコチ無闇に弄り回すと2次災害以上の事態に発展することがあります。

人気blogランキングへ ランキングも今日の晴れ間にようにスカッと行きたいものです。


クラッチスラストベアリング

2006年09月18日 | クラッチ

人気blogランキングへ  全く色気のないこのブログに人気ランキングの投票をしていただき、誠にありがとうございます。今日だけでも順位が何回変った事か分かりません。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

S24_7

クラッチを操作すると、必ず仕事をしているクラッチレリーズスラストベアリングですが、①は1936~'75年まで使われていたというEarly-Styleで、②はその後4速ミッションに使われていたLate-Styleです。

S25_11

Early-Styleは、分かりづらいですが矢印がベアリングボールで、非分解ですが全周に渡って入っています。

S27_3

対するLate-Styleではこのように分解でき、それぞれの部品を別個に必要に応じて交換することができます。

4速ミッションでは互換性があり好きなほうを使えますけれど、ある人に言わせると今でも入手可能なEarly-Styleは社外品しかなく、使えないシロモノだそうです。

まわりがギザギザのオイルスリンガーの写真右は壊れていますが、説明は後ほどに・・・・。

結論を先に言ってしまうと、このモデルチェンジは時代背景も理由にあり、4速ミッションにおいては純正Early-Styleがベストです(ないものねだり!)。想像するとLate-Styleのニードルベアリングは1930年代では存在したとしても一般的でないか、性能的にも満足できるはずがなく、凝ったつくりのEarly-Styleが最善の策であったのでしょう。そしてニードルベアリングが一般的になったときにはクラッチレリーズの形式が変ったために使えるようになったと考えます。

S21_16

フートクラッチでは操作力も問題にならず、それを軽くするためにストロークが犠牲にならないのでした。

S32_10

時代の移り変わりでハンドクラッチに移行しましたが、結果的にはオイルタンクが邪魔してクラッチレリーズレバーをそれ以前と同じモノを使わざるを得ず、クラッチブースターが必要になりました。

S22_12

レリーズレバーの長さの違い。

S26_7

クラッチレバーでは約10mmのストロークですが・・・

S23_9

お化けの写真みたいですけれど、レリーズレバーの先端で約30mmのストロークを実現しています。

S31_16

通称マウストラップは操作力を犠牲にしないでストロークを3倍にするために、矢印の補助スプリングを使っています。

クラッチの操作力を軽減すると、何らかの犠牲を払わなくてはならないのは時代を問わないようで、この場合でもスプリングがクラッチレリーズの遊びをなくしてしまうことになります。

遊びがないとレリーズスラストベアリングはエンジンと共に回り続けますので、Early-Styleのほうが都合がよろしいのではないでしょうか。

一大発見!?をいたしましたので続きます。

人気blogランキングへ やはり首位の座を失うと落ち着きません。今後ともご協力のクリックをお願い申し上げます。


プロクラッチの外し方

2006年06月21日 | クラッチ

お願い 人気blogランキングへ   トップはキープ、されどポイントが上がらず。是非クリックしてくださいネ。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

Simg_0121_3

プロクラッチは何度か紹介していますが、メインシャフトがテーパー勘合の4速トランスミッションの場合には、このSSTが必要になります。

S25_7

つまり、テーパー勘合とは左の図のようになっていて、スピールキーによってもトルクを伝達しますけれど、それだけでは強い衝撃が掛かると”キーが飛んで”(破壊)しまうので、テーパー勘合と併用されています。ナットで締める事により強固な勘合になりますから、プーラーやSSTが取り外す際には必要になります。

5速ミッションになってからはスプライン勘合になって、ストレートシャフトなのでクラッチの取り外しにはSSTは必要でなく、手で外せます。ココの細かいスプラインはインボリュートスプラインと呼ばれるようで、ギアの歯のような形状です。

S21_8

写真でも分かりずらいですが、良く見ると矢印が示すように、キー溝があるのが分かります。

S11_14

実際に外す場合は赤矢印のナットを緩め(逆ネジ)3回転くらい回転させてから、SSTを取り付けます。青矢印がナットに当るのが分かります。

Simg_0123_2

SSTをクラッチハブに確実に取り付けてから、センターボルトを締めていき外します。外れないようであったらSSTのセンターボルトに、ハンマー等で軽くショックを与えても良いと思います。インパクトレンチを使う場合は各部を壊さないように注意してください。

Simg_0127_3

SSTを外してから、ナットも外せばこの通り。

Simg_0129_2

テーパー状のシャフトとキーですね。

プロクラッチは高価ですが精度も良く、クラッチの切れに悩むかたには絶好のアイテムと言えます。この辺りはさほど経験も必要としないでサクサクとインストール出来ますが、いざ外そうと思うと市販の汎用プーラーでは歯が立ちませんので、SSTの必要性を知っておいて下さい。

 人気blogランキングへ   お帰りの際はコチラからお願いします。


ダイアフラムスプリング クラッチ③

2006年06月07日 | クラッチ

お願い 人気blogランキングへ   ブックマークで毎日見てくださる方には、1日1回のクリックを御願い申し上げます。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

’04’05のデュアルディスクモデルのリコール情報がUS05 1200Rさんのブログに掲載されています。暫らく前からトラブルが多発していたわりには対応に時間が掛かりましたね。軽い症状では大した事はありませんが、中には急に抜けてしまう事もあるようで、事故が起きる前に対処したいものです。

S9_8

これは’83年のFLのクラッチです。ご覧のようにコイルスプリングなので矢印のアジャストナットで、スプリングのセット圧を変えることができます。(その代わりプレッシャープレートに掛かる反発力を均一にするのが厄介)

S5_30

クラッチレバーの操作力はダイアフラムのように<奥まで握って保持>でも軽くなりません。

その代わり自然なタッチは今でも好む方が多く、ダイアフラムの操作力の観点では理想的な特性は、クラッチをミートさせる時の独特なフィーリングを生じさせ嫌う方もいるようです。

S4_36

これは’98年以降のクラッチです。ダイアフラムを固定するリテーナーリングが’90年からスナップリングになってから、スクリューによる固定に復活です。これなら特別なSSTは不要ですね。

矢印は00と刻印してありますが穿った見方をすると、パーツリストにも記載はないのですが、セット高違いのモノも考えられていたのかもしれません。

でも、そうするとフリクションプレートが半永久的に使用可能になってしまうかも。

S6_18

チョットばらしてみました。矢印のスクリューはM6です!工具サイズも10mm。

S3_45

間が抜けていますが、歴代のフリクションプレートを並べてみました。

それにしても、’84~’89のが幅が狭い。

S2_56

スクリーミン イーグルのラベルが付いています。6枚で1セットです。注文する時には気をつけないと「6枚なので注文数を6」とすると6枚でなく6セット来てしまいます。

スクリーミン イーグルというブランドはマフラーとかハイパフォーマンスパーツのイメージがあり、アイテム数も膨大ですけれど、以前は2軍的?要素があり、古い純正部品の市場性があるものを売っていました。

’84年からクラッチは大幅に近代化されたのですが、フリクションプレートが6枚しかなく、しかも幅が狭いときているので、以前は「滑り」に苦労したことがありました。

メーカーも容量不足には対処して、’90年からは8枚に増やされ、更に’98年からは9枚になりました。その度にハブやシェルも変更になっています。


ダイアフラムスプリング クラッチ②

2006年06月05日 | クラッチ

お願い 人気blogランキングへ   ブックマークで毎日見てくださる方には、1日1回のクリックを御願い申し上げます。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

S1_61

リベラ製クラッチもハーレーダビッドソン純正クラッチも構造的にはホボ同じです。各部の名称はハーレーダビッドソンに準じています。

S2_55

正常な働きではコンナ感じで、クラッチレバーを握らない時は左の図のように、ダイアフラムスプリングのテンションで、フリクションプレートとスチールプレートにプレッシャープレートの圧力が掛かり、動力をシェルからハブに伝えます。

クラッチレバーを握るとプッシュロッドが赤矢印のように動き、プレッシャープレートを浮かす動きになり、ダイアフラムスプリングを変形させて、プレッシャープレートに掛かる圧力を取り除いて”クラッチが切れる”状態になります。

尚、書き込まれている数値は’84年のマニュアルのモノです。

それでは何故ダイアフラムスプリングクラッチでは、クラッレバーを保持する状態では反発力が弱くなるのでしょう。

S5_29

これは以前は一斗缶(知ってますか?)などの開口部の蓋に良く使われていたものです。

赤矢印を押すと”ペコッ”と音がして開く、あの蓋です。

中央が盛り上がっていて、コレがへこむと下の溝が開きますね。

クラッチのダイアフラムもコレと同じ原理と言えるでしょう。まるきり同じだと、クラッチを切ったまま戻らず困りますけど。

S3_44

フリクションプレートが磨耗して図に示すセット高が大きくなってしまいますと、”ペコッの原理”が使えなくなりクラッチレバーの反発力が軽くならない場合が生じます。

’89年までのハーレーダビッドソンのクラッチは、ダイアフラムを押さえている部品の名称がアジャストプレートになっているように、取り付けボルトの穴がABCと3箇所選べるようになっていて、セット高を調整できるようになっています。

タブンこの設定は、プレッシャープレート圧が最大で、”ペコッの原理”が使えるオイシイ「セット高」なのでしょう。

リベラ製ではシムでの調整になっています。

続く。


ダイアフラムスプリング クラッチ

2006年06月04日 | クラッチ

お願い 人気blogランキングへ   ブックマークで毎日見てくださる方には、1日1回のクリックを御願い申し上げます。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

Simg_0200_2

これはリベラ製のプロクラッチです。プリモ社のベルトドライブと共に幅広いモデル適合性も相まって、その能力は高い評価を得ています。

Simg_0188

写真はこの2つですが、この他にゴールドのコンペテイション オンリーのベリー ストロング ハンデッドのものも用意されています。

ブラックが一番柔らかく、シルバーはチョット強い。

ゴールド ダイアフラムの注釈にはNot for limp-wrists!!と注釈がついています。

ちなみにlimpとは”ぐにゃぐにゃの; しなやかな; しおれた; 力の抜けた; 疲れた; (意志などが)薄弱な”という意味ですね。.

S12_11 

ブラックとシルバーでは反り方が違います。強いシルバーのほうがコウシテ較べると高さが高くなっていますね。

Simg_0191_4

Simg_0192_2

むしろ厚さはシルバーの方が2/100mmほど少ないですね。これは公差のうちで、同じ厚さと見ても良いかもしれません。

クラッチレバーの重さを測ってみました。

Simg_0180_4

S11_10

レバーに秤を引っ掛けて測ってみます。スケールがあるのはレバーのピボットの中心からの距離で、同じ条件で測定するためです。

Simg_0175_2

クラッチレバーの引き始めで一番大きい数値です。約10kgですね。これはシルバーのダイアフラムです。

ブラックでは約7kgです。

Simg_0176_3

これはクラッチレバーをグリップに接する手前まで引いて保持する重さで約5kgです。ブラックでは約3kgと軽くなっています。

握る過程(PULL)と保持(HOLD)では何故このように重さが変化するのでしょうか?ソレはこの後に続きます。

プリモとリベラの関係も調べてみたいですね。


マウストラップの調整

2006年04月20日 | クラッチ

人気blogランキングへ
お願い    お陰様でトップ維持! クリックお願いします。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

Simg_0169_3

マウストラップのカバーを外すとコンナ風になっています。

いやストロボが光ってしまうとシリンダーのフィンの間まで良く見えてしまい、キタナイ感じになってしまいますね。

調整するまえに、クラッチワイヤーや可動部分の動きが渋くなっていないか確認したほうが早道です。単品では渋くなくても、力が掛かると渋くなる場合もありますので良く点検します。

また古い車両なので、各部品のコンディション(変形や磨耗)や社外品の使用なども考慮しなくてはなりません。

S3_23

S2_31

S8_6

レリーズレバーの位置を確認します。”レバーの位置”はプッシュロッドのアジャストスクリューで決まってしまいます。

しかし適切な位置というと、上の写真は戻っている状態(ハンドレバーを離した状態)ですが、これ以上角度が小さくなると矢印の部分が突っ張ってしまい、これ以上右方向には行きません。

そしてハンドレバーを握った状態では矢印の示すようにミッショントップカバーに当り(見えませんけれど)、これ以上は動きません。

つまり、レリーズレバーのストロークには外的制約があるので、この中でウマク動かす必要があります。

S6_7

S7_2

まず本体の取り付け位置が適切かどうかを確認します。

下の写真のように左側にエキゾーストパイプがある場合は、ロッドの位置に制約があるため、本体の上下位置はコレで決まってしまいます。

前後位置はロッドの調整範囲になるので、コレも大きく外れることもないでしょう。

ヘルパースプリングのテンションの調整もできます。

S4_20

赤矢印が示すスクリューはブーストリンクの戻り位置のストッパーになります。

S1_35

図を見ると難しそうですが、ハンドレバーを握るとBが動き、今までA・D・Cがほぼ一直線であったのがCが緑矢印のように移動し、スプリングの長さL2が変化してスプリングの張力が働き、ハンドレバーの操作力を軽減します。

調整方法

ここまでくれば調整箇所の多い割りに調整範囲が限られるのが分かります。

  1. ワイヤー、プルロッドは遊ばせておきます。
  2. ブーストリンクのストッパーを動かして、スプリングの効き始めを調整します。ハンドレバーを軽くしようと動き始めを早くしすぎると、クラッチレリーズの遊びがなくなってしまい、トラブルの元になります。
  3. スプリングテンションを調整します。ココでもレバーを軽くしようとテンションを強くしすぎると、レリーズレバーの戻りが悪くなり具合がヨロシクナイですね。
  4. ワイヤー・プルロッドに僅かな遊びを設けるように調整します。

ブースターの調整以外の”操作力重すぎ”の原因

  1. ワイヤーの不良
  2. クラッチレリーズカバー内のレリーズフィンガーの磨耗
  3. クラッチプレッシャースプリングの不適合(硬すぎ)

今回の記事は”あーれー66”さんのリクエストにより制作いたしましたが、ご期待に沿えたかはチョッピリ不安があります。

このようなリクエストは歓迎いたしますので、宜しくお願いします。


ネズミトリ?

2006年04月17日 | クラッチ

人気blogランキングへ
お願い    お陰様でトップ維持! クリックお願いします。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

ホントのネズミトリがハーレーについている訳ではありません。

S29

デュオグライドにはマウストラップがついています。マウストラップは通称名でクラッチブースターです。

このデュオグライドはFOR SALEです。 読者の方にはお安くさせていただきますので、ご希望でしたらメールで御連絡ください。

存在理由は?

S30

クラッチブースターは’52年から’67年まで使われていましたが、フットクラッチからハンドクラッチへの過度期のモノで、オイルタンクが変わるまでフットクラッチと同じ長いレリーズレバーを使っていました。

Simg_0115_4

レリーズレバーが長いので、クラッチが切れるのに必要なストロークは写真のように約30mmあります。

Simg_0114_3 

ところがレバーで引くストロークは15mmもありません。

Simg_0117_3

そこでバネ仕掛けのクラッチブースターです。

パコパコ動くのがネズミトリに見えなくもない?ワタシには見えませんが・・・・。

”エネルギー保存の法則”によっても、運動量(ストローク)を倍にすれば入力(レバーを握る力)も倍になってしまうので、こうした仕掛けを採用したのでしょう。

こうしたヘルパースプリングを使った仕掛けは、昔のクルマにもあったような気がします。

S31 

マアマアのうまい仕掛けですが、理に適っていないのは印の力点の位置が悪く、の方向にワイヤーが引かれるとの方に動いてしまって有効なストロークにならず、ワイヤーに余計な摩擦も働いてしまいます。

Simg_0054_2

調整はさほど難しい訳でもないのですが、このデュオグライドのは中々ウマク行きません。

レバーを勢い良く離すと、写真のように外れてしまいます。

Simg_0055_1

ワイヤーを外してみると動きません!!

車体についていた時点では、ワイヤーがこんなに動きが硬くなっているとは感じなかったのですが・・・・。

アジャスターも本来は無かったし・・・・。

と言うわけでワイヤーが交換です。


プロクラッチ③

2006年03月31日 | クラッチ

人気blogランキングへ
お願い ブックマークされている方は1日1回のクリックを! 目標は週間INポイント 6000!!です。

Simg_0310

発注しておいたベアリングが入荷しました。あまり流通していないためか3日も掛かりましたが、プリモに発注すれば早くても1~2週間掛かるのでヨシとしましょう。しかも2380円!

昨日は読者の舞の花さんにベアリングの入荷を伝えたら、早速来ていただいたので組み付け作業を行い、完成後は話に花が咲いてブログの更新の時間がなくなってしまいました。寒い中、舞の花さんは無事に帰れたかな?

Simg_0311_1

ベアリングを抜くためには、スチールインサートとアルミハブを分離しなくてはなりません。このボルトはダイアフラムリテーナープレートを固定するのと兼用しているため、ロックタイトが使用されているのでヒートガンで加熱します。

Simg_0312_1

このようにロックタイトが使用されているネジを無理やり外そうとするとロクなことがありません。

Simg_0323

外したナットです。10mmくらいネジ山がないのが分りますか?理由は緩み止めですね。どうしてネジ山がないと”緩み止めになるか”の説明は後で・・・・・。

Simg_0321_1

古いロックタイトを除去します。このワイヤーブラシは両頭グラインダーに取り付けたワイヤーバフというモノで、こうした作業に威力を発揮します。

Simg_0322

すべて分解して、新しいベアリングも用意されて、組み立てる前の状態です。

Simg_0325_1

まずハウジングを加熱しておきます。この古い電熱器が役に立ちますね。

Simg_0326_1

ハウジングはアルミなので、加熱しておくとベアリングはスルスルと入ってしまいます。

Simg_0327

ハウジングの余熱でベアリングも温まっているうちにスチールインサートにベアリングを打ち込みます。

前に測定した嵌め合い締め代は1/100mmなので、余熱の効果もあり苦労しないで挿入できました。

S3_14

ベアリングを圧入するときは、図のように力を掛けるポイントを選ばなくてはなりません。組み立てる時はコレを守らないとボールとレースのボールに接する面が傷み、異音の発生や破壊の可能性があります。

分解時にはこの鉄則を守る事ができない場合がありますが、そういった場合にはベアリングは新品を使用します。

Simg_0329_1

ようやく出来上がったクラッチアッセンブリー。

S2_21

これは純正のセンターナットです。ネジ山がない部分が分りますか?

Simg_0330

これは純正ナットをプロクラッチ用にサイズを詰めて加工したものです。

本来は専用ナットがキットに付随するものですが、これが無かったため舞の花氏を悩ませた事に・・・・。