三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

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対三重県訴訟上告理由書 3

2012年12月07日 | 紀州鉱山
★第2の4.憲法14条「法の下の平等」違反
 減免申請書を出さなかったからという理由で、三重県紀州県税事務所担当官が、三重県県税条例施行規則第7条に定められた「異例に属するもの」として知事に進達しなかったのは、法の下の平等を定めた憲法に違反する。
 一審判決文では、
    「処分行政庁は、書面による減免申請がない限り、県税の減免に係る判断をすること
   ができず、原則に従った課税処理を進めるべきことになると解される」(一審判決文17
   ページ22行目から24行目)、
    「本件土地の不動産取得税の減免につき書面をもって申請した事実がない(このこと
   は当事者の間に争いがない)以上、処分行政庁は、不動産取得税の減免に係る判断を行
   うことなく、原則に従った賦課処分を行うことになるのであり、原告らの主張は、その
   前提を欠き、失当である。なお、原告らは、電話で口頭申請した旨主張するが、上記の
   とおり、不動産取得税の減免は書面による申請が義務付けられているから、この点は、
   上記判断を何ら左右しない」(一審判決文17ページ25行目から18ページ5行目)
とされている。
 しかし、事実は、被上告人が法廷に提出した証拠書面(乙第8号証)
    「税務相談室に相談の上、本件課税を調査のため一旦減額することにした(2009年11
   月17日)」、
    「「今回の課税は調査のため減額する」と伝える(2009年11月20日頃)」、
    「減額するので納期は気にしていただかなくてもいい(2009年11月20日頃)」、
    「条例及び部長通知に定められている減免規定の説明を行い、要件に該当しないこと
   から減免することもできないと説明した(2010年4月20日)」
が示すとおりである。
 被上告人は、調査の結果、条例及び部長通知に基づき、減免できないと説明しているが、その業務が法的拘束力を持たない部長通知に基づいたとするなら、当然に、法的拘束力を有する三重県県税条例施行規則にかかわっては、地方公務員法第30条「職務の遂行に当たっては、全力を挙げてこれに専念しなければならない」、および同法33条「職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない」の規定により誠実に遂行されなければならず、このとき、三重県県税条例施行規則第7条の遂行上、上告人に減免申請を出させるのは、被上告人に必然的に要求される業務である。
 本件が「異例に属するもの」であることが明らかであることは、県税事務取扱要領で、
    「異例に属するものとは、国又は県において示されている減免基準にない場合等過去
    に例のないもので、その減免の決定が他へ大きく影響するなど重要であると認められ
    るもの」
と規定されているとおりである。
 被上告人は、この要領に基づき、三重県県税条例施行規則第7条に定められている業務を遂行する義務があり、そのためには、被上告人は上告人に対して調査後に減免申請を出させなければならないのであって、上告人が減免申請を出さなかったことを理由に、三重県県税条例施行規則第7条に定められた業務を放棄してはならないのである。被上告人には、上告人に減免申請の提出を指示して、知事に進達する義務がある。
 そうであるにもかかわらず、一審の裁判官は判決文で、
    「原告らは、処分行政庁が、原告らに対し不動産取得税の減免を受けるためには……
   申請書を提出する必要があることを教示しなかったことをもって、本件課税処分に取り
   消されるべき瑕疵がある旨主張する。
    しかし、法令上、処分行政庁に対し、原告ら主張の事項を教示しなければならないこ
   とを義務付ける規定は存しないことにも照らすと、原告らの主張は、その前提を異にす
   るものであって、失当である」(一審判決文18ページ7行目~13行目)
としている。
 ここで、三重県県税条例74条にいう減免を受けるため減免申請を出す主体は上告人であるが、三重県県税条例施行規則第7条を遵守するために減免申請の提出を指示する義務を負うのは被上告人である。
 このように実施主体が異なる業務事務であるのに、裁判官は、三重県県税条例74条には減免申請提出の教示の義務が明示されていないことをもって、上告人の側が減免申請を出さなかったことに理由付けて、被上告人の三重県県税条例施行規則第7条に規定された事務事業の執行義務を怠ったことを許したが、このような判決は、真実に反しており、社会的に不正義なものであり、法の下の平等に反している。
 「書面による減免申請がない限り、県税の減免に係る判断をすることができず」とした判決は、被上告人の減免申請書の書式があるのに無いと上告人に虚偽を告げたことを容認して、被上告人の三重県県税条例施行規則第7条に基づく業務を怠るという失態を、上告人が減免申請を出さなかったことに転嫁する判決であって、憲法14条に定める「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」という規定に違反している。
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