三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

日本国家の侵略犯罪は、隠蔽・消去できない

2016年04月11日 | 個人史・地域史・世界史
■日本国家の侵略犯罪は、隠蔽・消去できない■

■日本の他地域他国侵略・植民地支配は、被侵略国・被植民地支配国の親日派なしには不可能だった
 国民国家日本は、乙巳五賊(李完用学部大臣ら5人)・庚戌国賊(李完用内閣総理大臣ら8人)がいなければ、抗日義兵戦争のさなかに大韓帝国を容易に早期に植民地とすることはできなかっただろう。
 台湾総督府や朝鮮総督府に協力する台湾人や朝鮮人がおおくなければ、日本政府は台湾や朝鮮の植民地支配を持続することはできなかっただろう。
 中国に漢奸がおおくなければ、日本政府・日本軍は容易に中国侵略をすすめることができなかっただろう。

■親切な日本人・アジア太平洋で民衆殺害をおこなっていた日本人
 日本のメディア(新聞、テレビ、インターネットなど)で、日本に観光旅行にきた中国人が親切な日本人に出会ったという話が、くりかえされている。
 1945年8月14日以後、アジア太平洋から日本にもどった日本兵は、アジア太平洋各地での自らの侵略犯罪を家族・知人にほとんど語ることなく、よい父、よい祖父、よい隣人として平和に生き続けた。
 中国東北部で生きた人間を実験材料として殺害した731部隊の日本人医師・日本兵も、そうだった。マラヤ、シンガポール、フィリピン……各地で住民虐殺をおこなった日本兵も、そうだった。海南島で住民虐殺をおこなった日本兵も、そうだった。

■「親日層・知日層の構築」を策動し続けている日本政府
 「私たちが日本を好きな理由 中国・変わり始めた対日観」という題の50分番組を、ことし3月5日に日本の公共放送NHK(日本総務省所管)が放映した(3月11日再放送、4月2日再々放送)。
 この番組は、雑誌『知日』が中国で読まれていることを大きく報道し、『知日』の親日性を宣伝するものだった。
 20011年1月に北京で創刊された『知日』は、日本のアジア太平洋における侵略犯罪にまったく触れることなく、「日本」を紹介している。そのテーマは、「制服」、「美術館」、「猫」、「鉄道」、「明治維新」、「妖怪」、「アイドル」、「富士山」、「笑点」、「日本人から学ぶ礼儀(向日本人学礼儀)」、「禅」、「犬」、「断捨離」、「日本食」、「暴走族」、「太宰治」などである。
 NHKは、中国の「知日層」の動きを、日本と中国を結びつける運動として宣伝し、日本の中国にたいする侵略犯罪の歴史を隠蔽したままの「日中友好・親善」を固定化しようとしている。
 昨年4月に日本外務省が発行した2015年版『外交青書』(第3章「国益と世界全体の利益を増進する外交」の2「文化外交」)に、
   「次世代の親日層・知日層の構築や日本研究を通じた対日理解促進のために、外務
   省は、在外公館を通じた日本への留学機会の広報や元留学生とのネットワークづく
   り、地方自治体に外国青年を招へいする「JETプログラム」への協力、アジアや米国
   との青少年交流事業や社会人を招へいする交流事業、世界各地の大学や研究所へ
   の客員教授の派遣や研究助成などを実施している」
と書かれている。日本の他地域他国植民地支配は、「親日層」、漢奸、傀儡政権なしには不可能であった。「親日層・知日層の構築」はいまも日本政府の外交戦略とされている。
 中国各地における日本の侵略犯罪にかかわる事実を詳細に明らかにすることなしに、日本を知ることはできないにもかかわらず、中国の「知日派」は、その作業をやろうとせず、日本政府の知日層増加策動に加担し、日本の侵略史を認めない日本政府に協力している。

■アジア太平洋民衆の民衆運動としての近現代史研究
 日本政府がアジア太平洋の知日層増加策動を強化しても、アジア太平洋の民衆がアジア太平洋近現代史を追及し続けるなら、日本国家の侵略犯罪は、隠蔽・消去できない。天皇の侵略犯罪は、隠蔽・消去できない。
                           佐藤正人 2016年4月11日記
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする