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プロメテウスの罠 「プロメテウスの罠」(2012年3月13日刊)を入手して読んでいます。
2011年10月3日から朝日新聞紙上で連載がスタートしたそうです。この本はその第6シリーズまでを単行本にして発行されたものです。連載は継続中で続刊が予定されているとの事です。

私は本を入手して最初に 「はじめに」 と 「おわりに」 を読んで、どのようなスタンスで書かれた記事なのかを確認しました。『官僚たちは匿名性に守られている。・・・「○○省が言った」「○○筋が言った」という表現はやめ、○○省の○○が○○と言った、と書こう。』という部分を読んだ時、私はニヤリとしました、そういうことならきちんと読んでみようか、と。

目次を見て、タイトルでピンと来て最初に開いたのが第四章・「無主物の責任」でした。「無主物」、2011年の流行語になったかどうか知りませんが、当時はかなり有名になりました。
この章の肥田舜太郎医師の項で、原爆に起因する被爆者の被曝について国は冷淡な対応をしたような裁判事例があることを知りました。国がそのようなスタンスでいることが、おそらく給食被曝についても無頓着な対応で済ませていた理由なのではないかと感じています。国のスタンスに従う地方行政はなおさら冷淡になるのがこの国の通例です。
署名のお願い~甲府市の学校給食に関する要望書~ が告知されています。

「おわりに」では菅直人氏の原発震災対応についてかなり突っ込んだ取材がされたように感じました、その事は第6章・「官邸の5日間」としてまとめられたようです。
それも目を通しましたが、この章は3月14日から始まっています。そして、改めて3月11日に戻り、原発事故発生からの経過が描かれます。『最高責任者は首相であり、菅には一切の責任を負う責務がある。だが、根底には官僚組織の機能不全が横たわっていた。』 というのが朝日新聞特別報道部取材チームの結論なのかも知れませんが、 官僚組織の問題をここで気が付いたジャーナリズムだとすれば、それはおかしいと私は思います。閣僚の口から出てくる言葉のソースは何かを一番分かっていたのは身近で取材している記者であったはずだと私は思います。

この事は原発震災対応についても、震災復興問題についても同様では無いのか。この国の運営は国民(の代理人)ではなく匿名の官僚組織(とそれに協働できる組織)が担っていることを一番知っているはずでしょう。そういう日本を改造しようとする人を醜い手法で排除して来たのがどのような人々か、それが見えていないはずはありません。
「官僚・政治・東電の罪を問う」ことが朝日新聞社(はじめマスメディア)の諸氏に出来るのか、連載の後半にはそれも書かれているかも知れませんので、続刊を待ちます(新聞紙を私は読まないヒトです)。

この本を購入したのは身内の子供たちに渡すためです。小学校に入ったばかりの子供たちが成長して読める年齢になったら読ませるように母親達に渡します。小出裕章さんの「原発のウソ」など数冊の原発震災関連図書を求めたのもその目的です。彼等の身に万一の事が無いように祈りながら、私が彼等の為に書き残す情報を補完する資料として活用してくれることを願っています。



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